2015 Fiscal Year Research-status Report
英国版「コリンナ」の系譜と女性セレブリティ:ジューズベリー姉妹とブロンテ姉妹研究
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26370303
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
皆本 智美 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (20441107)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英文学 / イギリス / 女性 / ナショナリズム / セレブリティ / 公共圏 / ド・スタール |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度から引き続きジューズベリー姉妹についての調査を行った。特にMaria Jewsburyの "The Three Histories" の中の 'The History of an Enthusiast' に焦点を当てて、当時の女性と公共圏の問題について考察し、研究成果を論文にまとめて刊行を待っているところである。Maria Jewsbury については、彼女の書簡を分析中であるほか、Forget Me Not, The Literary Souvenir, Friendship's Offering等リテラリー・アニュアルへの寄稿作品も調査し、彼女が文壇へ進出した足掛かりを辿るための考察も進行中である。 2015年度はブロンテ姉妹と公共圏やナショナリティに関する問題についての考察にも着手した。シャーロット・ブロンテの小説『ヴィレット』におけるナショナリティの問題と視線のエコノミーについて考察した論考「英国女性ルーシー・スノウと『ヴィレット』における視線」は日本ブロンテ協会設立30周年記念論集『ブロンテと19世紀イギリス』に所収された。またブロンテ家の伝記の決定版とも言えるジュリエット・バーカーによるThe Brontesについての書評を執筆するため精読する中で、ブロンテ家とヨーロッパ大陸諸国との関わりやシャーロット・ブロンテがフランス小説等から受けた影響について新たな示唆を得ることができた。執筆した書評は日本ブロンテ協会発行の2015年ブロンテ・スタディーズに所収されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内・国外図書館を利用しての調査・分析においても、論文執筆・学会発表等の研究成果発表においても、ほぼ当初の計画通りに研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに、ジューズベリー姉妹とブロンテ姉妹を中心に、英国女性作家がどのように公共圏への足掛かりをつかみ進出していったのか、小説・エッセイや伝記を分析しながら考察する。また小説と並んで、当時の女性が公共圏進出への足掛かりとしていた演劇についても、資料を調査・分析しながら考察する。
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Causes of Carryover |
応募時の各年度希望額と実際の各年度支給額が異なるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度以降、前年度までに入手できなかった研究資料の入手費用に充当する。
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Research Products
(2 results)