2016 Fiscal Year Research-status Report
英国版「コリンナ」の系譜と女性セレブリティ:ジューズベリー姉妹とブロンテ姉妹研究
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26370303
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
皆本 智美 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (20441107)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英文学 / フランス / ナショナリズム / 国民性 / 女性 / セレブリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度はジューズベリー姉妹からブロンテ姉妹へ主たる研究対象をシフトし、これまでに入手・内容検討できていなかった資料の分析にあたるとともに、研究成果の公開にも力を入れた。 ブロンテ姉妹については、国際学会で2回発表したほか、横浜市で行われた公開講座の講師を務め、英国人女性作家の作品中、フランスをはじめとするヨーロッパ大陸を象徴する「コリンナ」のモチーフがいかに表象されているかについて、また英国女性の表象との相違について、比較し考察した。その成果は、論文「英国人作家シャーロット・ブロンテとヨーロッパ:『教授』におけるヨーロッパ表象」『ブロンテ・スタディーズ』第6巻第2号、pp.91-109 で公表し、ほかにも翻訳(共訳)『歴史のなかのブロンテ』マリアン・トールマレン編(第36章「階級」担当、pp.367-75)や、『集英社文庫ポケットマスターピース12:ブロンテ姉妹』の「著作目録」と「主要文献案内」の担当などを通じて研究成果の公表を進めつつ、ブロンテの大陸文化表象の手法についてさらに考察を深めているところである。 ジューズベリー姉妹については、姉妹の書簡を分析した結果、姉のMariaは先にセレブリティとなっていた文人(Wordsworthなど)の知己を得て文壇からの信頼を獲得できたこと、妹のGeraldineは姉Mariaという先達の存在が大きかったことなど、人的ネットワークが姉妹の文壇への足掛かりに大きく寄与していたことがわかったので、これらの研究成果を公表するように準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内・国外図書館を利用しての調査・分析においても、論文執筆・学会発表などの研究成果発表においても、ほぼ当初の計画通りに研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は本研究の最終年度に当たるので、研究成果公表にさらに力を入れる予定である。また同時に、本研究を遂行する中で見いだされつつある新たな研究テーマについて、研究内容を明確化・具体化していく。
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Causes of Carryover |
応募時の各年度希望額と実際の各年度支給額が異なるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度にあたる2017年度に、前年度までに入手できなかったけれども本研究に必要である資料を収集するための費用に充当する。
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Research Products
(6 results)