2015 Fiscal Year Research-status Report
アジア系アメリカ人作家の戦争表象研究におけるトラウマ理論の有効性について
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26370320
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
加瀬 保子 琉球大学, 法文学部, 准教授 (70724722)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学会発表 / 資料分析 / 講演 / 論文執筆 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度春先の手術の影響で前半は学会発表などの出張を伴う活動は制限された。そのため論文執筆、資料精読を中心に夏まで作業を進めた。論文を一本書き上げ、日本アメリカ学会の学会誌に提出した。この論文は28年に出版されることになった。ようやく8月に国内出張の許可が担当医よりおりたので、8月17日から19日に開催された九州アメリカン・ルネサンス研究会夏季セミナー(福岡・大分で開催)で講演をした。この研究会ではアフェクト(情動)の理論を中心に勉強を進めていたので、専門であるトラウマの分野との関連を他の参加者から学べ大変有意義であった。年明けには海外出張も可能になり、1月9日から12日にハワイのホノルルで開催された人文系の学会で学会発表を行った。また、3月17日から20日にハーバード大学で行われた比較文学の学会でも学会発表を行った。これら海外での学会発表では、様々な国の研究者と意見を交換したり、発表へのフィードバックを得ることができた。また学会会場の展示会では最近の学術書籍の情報を集めることができた。ハーバードでの学会発表の後、母校であるニューヨーク州立大学バッファロー校に向かい、大学院図書館で資料収集を行うことができた。充実したデータベースを使用することでたくさんの参考文献をダウンロードすることができた。 また、琉球大学大学病院のセラピストをコンサルタントにむかえトラウマに関する脳医学の英語論文の精読を行った。医学系の論文は、初めは知識がないため理解に苦労したが、最近はだいぶスピードを上げて読めるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
27年春の手首の手術の影響が夏まで続いたため、研究活動がかなり制限されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は様々なアジア系アメリカ人のテキストを用いる予定だったが、ブックプロジェクトに関してはフォーカスをより明確にするため太平洋戦争に関するテキストに絞ることにした。個々の論文発表についてはベトナム戦争など他の戦争トラウマのテキストも用いる。ハーバードでの学会で人文系のトラウマセオリーの最近の発展の動向は十分把握できていると確認したので、今年は人文系の理論と医学系の研究を具体的にどのように繋げていくか考えていきたい。
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Causes of Carryover |
春先の手術による活動の制限により、前半思うように出張に行けなかったことが 大きな理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度の英文校閲、書籍購入、謝金として使用したい。
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Research Products
(3 results)