2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370321
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 新 琉球大学, 法文学部, 教授 (80363654)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ピーター・マシセン / 環境文学 / 海 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年5月27日ー28日に香港大学で開催された国際会議"CONTEXTUALIZING ASIAN ECOCINEMA: PAST AND FUTURE"に招待され、カール・シュミットの海概念を批判的に検討し、現代アメリカの海環境をめぐる言説について、同年ピュリッツァー賞受賞したWilliam Finneganによる自伝的作品 Barbarian Days: A Surfing Lifeを取り上げてサーフィンナラティブの現代文学的意義について整理した。更に、サーフィン文化を代表するドキュメンタリー映画The Endless Summerを取り上げながら、サーフィンナラティブと映像的表現を相互比較しながら、海環境における「海辺」と「海上」の物質的要素を明らかにし、結語としてそれが沖縄の辺野古問題に現れるドキュメンタリー映像にも見られることを議論した。 6月には「第50回アメリカ学会年次大会:平成28年度アメリカ学会年次大会 (東京女子大)」 【部会 B 拡張主義と環境】 「アメリカ拡張主義とアメリカ合衆国探検遠征(1838-42)」に招待され、研究発表した。アメリカの太平洋における覇権主義の展開(軍事・商業・植民地(領土拡大)の基盤を作ったウィルクスのアメリカ合衆国探検遠征について、21世紀的グローバリズムの展開を考える契機の一つとして、アメリカ拡張主義をアメリカ合衆国探検遠征から再考する必然について議論した。 9月には『パナマ・太平洋万国博覧会 -1915サンフランシスコ- PartI』全7巻 をアティーナプレスより出版し、出版用パンフレットとして「パナマ・太平洋万国博覧会(Panama-Pacific International Exposition, 1915)とその意義について」を発行した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度に専攻課程の主任を務める傍ら、H30年度に予定している学部改組の検討委員としてカリキュラムや入試の作業部会に関わることで、研究時間が大幅に削減された。更に、ピーター・マシセン関連の資料では、これまで検討されたことのない資料についての考察に時間を要しており、全体として計画が遅れることになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究の総括としてこれまでの研究成果をまとめ、海外で出版するための準備を進める。今後、アメリカを中心に出版社(編集者)とのコミュニケーションを始める。
|
Causes of Carryover |
平成27年度に専攻課程の主任を務めたことにより、多忙を極め、研究時間を削られた。また、平成30認可予定の大学改組計画の検討委員、作業部会の委員として複数の委員会活動に関わったことで、本研究の出張計画に変更が生じた。更に、収集した資料の中に、これまでの研究で未使用のものがあり、その解読に時間を要した。上記の理由で研究計画に変更が生じ、研究期間を延長することとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定していた最終年度計画の実行を、本年度に実施する。資料の確認で再度海外出張する可能性があるが、もし必要無い場合には、残額の多くを英文校正に充てる。
|
Research Products
(3 results)