2019 Fiscal Year Annual Research Report
Native American Writer William Apess and His Literature in American Renaissance
Project/Area Number |
26370339
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
小沢 奈美恵 立正大学, 経済学部, 教授 (80204197)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | William Apess / ピークォット族 / 先住民作家 / 先住民自伝 / 回心体験物語 / アメリカン・ルネッサンス / 19世紀のメソジスト派 / ピューリタンの対先住民戦争 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、研究課題のWilliam Apessに関する二つの論文を執筆し、今回の科研の研究課題で予定していた論文はすべて完了した。論文は受理されたが、出版はまだ行われていない。一つ目は、「先住民作家ウィリアム・エイプスの『ピークォット族の5人のキリスト教徒インディアンによる回心体験記』論――インディアンの鏡に映しだされるアメリカ社会」(日本英語文化学会記念論文集)で、二つ目は、「E・A・ポーと先住民作家ウィリアム・エイプスの接点――『アーサー・ゴードン・ピムの物語』に隠された「アメリカ先住民=消えたイスラエルの十部族」説――」(日本ポー学会)である。 その後、研究書を完成するために、これまで発表してきた論文の編集に入った。William Apessのこれまでの先行研究の流れをまとめ、さらに最近明るみに出された伝記的事実から、その略歴も書き足した。古い論文にも、近年の研究を付け加えて編集した。4月末に、研究書の編集を終了し、5月4日に原稿を明石書店に提出した。 研究書の後半には、Apessの作品2編の翻訳を入れることになっている。Apessの自伝(回心体験記)であるA Son of the Forestの翻訳を担当する大島由紀子先生の原稿と本研究代表者(小沢)によるEulogy to King Philipの原稿も完成した。しかし、研究書本文で用いている用語との統一や、二つの作品間の用語統一などの調整は、現在も継続して行っている。最後に、序文、年表、索引、地図、挿絵などをさらに付け加え、出版は9月末日頃になる予定である。 研究期間を1年延長して頂いた上で、まだ研究書が完成していないことは心苦しいが、出版する以上は少しでも質の高いものを目指したい。本研究の意義は、アメリカン・ルネッサンスを先住民作家の立場から読み直すもので、新たな視点を提供できると考えている。
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