2016 Fiscal Year Annual Research Report
The formation of nature description in the descriptive poesy of 18th century - reception of natural history works and variation
Project/Area Number |
26370366
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 櫻子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (10422908)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 仏文学 / 哲学 / 美学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、平成28年3月より1年間、パリ=ソルボンヌ(パリ第4)大学訪問研究員として、パリに滞在した。その結果、補助事業期間最終年度である平成28年度は、フランスおよびフランス語圏の研究者と積極的に学術交流するとともに、国際学会での研究成果発表を複数回にわたり行うことができた。 まず、11月4日にパリ第3大学で行われた国際研究集会「ルソーとマイナーテクスト」において、ルソーが詩人ルーシェに与えた影響について研究報告し、これまで「マイナー」とされてきた描写詩を読み解くことが、同時代におけるルソー受容の問題について新たな視点から捉え直すことにつながると明らかにした。次に所属先のパリ第4大学では、11月23日にジャン=ジャック・ルソーとサン=ランベールの美学、道徳論、人間論の違いを浮き彫りにする発表を行った。さらに12月8日にはスイスのバーゼル大学に拠点を置く共同研究班「ドリール再構築」の国際研究集会にて口頭発表し、研究代表者が2014年に出版したサン=ランベールの『四季』批評校訂版の紹介と、この詩人の人間論に関する解説を行った。同研究班は、現在ジャック・ドリールの批評校訂版作成作業を進めているため、底本の選定や注釈のつけ方などについて意義深い意見交換を展開できた。 また、フランス滞在期間を通して、フランス国立アカデミーの協力を得て進められている『百科全書』電子批評校訂版制作プロジェクトに参加し、サン=ランベールの『四季』について研究代表者が進めてきた成果を、『百科全書』研究に還元する可能性を見出した。その成果の一部はまず、勤務先の刊行する紀要に学術論文の形で公開した。さらにその内容を発展させた上で、平成29年2月24日、パリ第6大学にて開催された国際研究集会にて研究報告を行った。なお、帰国後東京にて『百科全書』電子批評校訂版制作チームの活動内容を紹介する発表も行った。
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Research Products
(6 results)