2014 Fiscal Year Research-status Report
台湾文学における日本表象の相互性について―日本・韓国・中国文学を視野に入れて―
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26370424
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
四方田 千恵(垂水千恵) 横浜国立大学, 国際戦略推進機構, 教授 (70251775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白水 紀子 横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 教授 (10196628)
赤松 美和子(佐藤美和子) 大妻女子大学, 比較文化学部, 准教授 (00510653)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 台湾文学 / 日本表象 / 文化流動 / 台湾映画 / 日本文学 / 台湾原住民族 / 台湾表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
総合テーマ「台湾文学における日本表象の相互性についてー日本・韓国・中国文学を視野に入れて―」のもとで設定した個別テーマに基き、各自連携をとりつつ研究を推進した。まず、四方田(垂水)が6月27日(金)台湾大学開催の国際シンポジウム 「第一屆文化流動與知識傳播ー臺灣文學與亞太人文的相互參照」に参加する機会を利用し、日本側共同研究者および台湾側海外共同研究者が集まり第1回研究打合せ会を行った。結果、四方田(垂水)は丸谷才一を中心とした日本現代文学における日本表象を、白水は甘耀明『殺鬼』の翻訳およびインタビューを、赤松は現代台湾映画における「日本時代」の語りを中心に研究を行うこと。さらに各自の成果発表以外に海外共同研究者も参加する国際ワークショップを開催する、という方針を決定した。 この方針の下、垂水は前述の国際シンポジウムで「日本人作家如何描繪臺灣「獨立」――以丸谷才一《用假聲唱!君之代》為論述中心――」を報告し、またそれをもとに「丸谷才一の顔を避けてー『裏声で歌へ君が代』試論」を『新潮』101巻11号に発表した。また赤松は國立清華大学台湾文学研究所主催、台灣文學研究新視野:反思全球化與階級重構 國際研討會」で、「跨國文化流動下的歴史商品:論當代台灣電影建構的「日本時代」」の報告を行った。さらに白水は『殺鬼』の翻訳を終え、2015年度に出版の予定である。 さらに2015年3月18日(水)には横浜国立大学において国際ワークショップ「台湾文学における日本表象の相互性について」を開き、海外共同研究者である楊智景の基調報告 「日治時期台灣原住民族菁英的自畫像與日本再現:以≪ 理蕃の友≫為中心 」他、4本の報告、さらにそれに基く討論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的は「台湾文学・映画・文化現象における日本表象と、日本文学・映画における台湾表象の相互性について、重層的に考察しよう」とするものであった。上記のように各研究者が異なる角度からこのテーマにアプローチし、2回の国際シンポジウムを含む研究成果の発信を行っている。 さらに、台湾側海外共同研究者を含む国際ワークショップを開き、5本の論文報告および充実した討議が行われたことからも、「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
総合テーマ「台湾文学における日本表象の相互性についてー日本・韓国・中国文学を視野に入れて―」のもとで設定した個別テーマに基き、各自連携をとりつつ研究を推進する、という基本方針は今後も継続する。 しかし、研究2年目の本年度は共同での研究成果の発信を行うべく、日本現代中国学会第65回全国学術大会(2015年)でのテーマ分科会参加を念頭におき活動を行う予定である。 さらに、2015年度には白水訳の甘耀明『短編集』の刊行が予定されていることから、それを中心とした研究会または国際ワークショップの開催も行う予定である。
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Research Products
(10 results)