2015 Fiscal Year Research-status Report
台湾文学における日本表象の相互性について―日本・韓国・中国文学を視野に入れて―
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26370424
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
四方田 千恵 (垂水千恵) 横浜国立大学, 国際戦略推進機構, 教授 (70251775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白水 紀子 横浜国立大学, その他の研究科, 教授 (10196628)
赤松 美和子 (佐藤美和子) 大妻女子大学, 比較文化学部, 准教授 (00510653)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 台湾文学 / 日本表象 / 映画 / 翻訳 / 文化流動 / 文学史 / 国際ワークショップ / 韓国近代文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
3人全員が係わった企画としては日本現代中国学会第65回全国学術大会分科会企画「テーマ:台湾文学・映画における日本表象と日本文学における台湾表象の相互性」に応募・採用され、10月25日に、司会白水紀子、報告者:小笠原淳、赤松美和子、劉霊均、コメンテーター:垂水千恵、張文菁、三須祐介による成果報告を行った。その場において赤松は「戦後台湾映画における日本時代表象」の報告を行った。さらに、1月29日、30日の両日、横浜国立大学「国際ワークショップ第5回:台湾文学における日本表象の相互性について」を主催し、若手を中心とする研究者16名が報告を行った。そのほか、8月1日には韓国文学研究者の波田野節子氏を講師として招き、東京台湾文学研究会との合同研究会『李光洙(イ・グァンス)――韓国近代文学の祖と「親日」の烙 印』を中心に」を開いた。 総合テーマ「台湾文学における日本表象の相互性についてー日本・韓国・中国文学を視野に入れてー」に沿っての個別活動としては、研究代表者の垂水千恵は3年がかりで取り組んでいた陳芳明著『台湾新文学史』上巻454頁・下巻462頁の翻訳を他4名の翻訳者とともに完成し、これを刊行したほか、査読付き論文一本、招待講演2回を行い、成果を発表した。 また研究分担者である白水紀子は甘耀明著・白水紀子訳『神秘列車』(白水社 2015年6月)全172頁を刊行した外、論文1本を発表した。 同じく研究分担者の赤松美和子は論文2本、翻訳1本、書評1本を発表したほか、4本の講演を行うなど、成果の公表に積極的に貢献した。また前述の『台湾新文学史』のために「日本における台湾文学出版目録(1954年-2015年)」を執筆、同書をより充実させたものとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および二人の研究分担者の3人が全員参加しての日本現代中国学会第65回全国学術大会分科会企画「テーマ:台湾文学・映画における日本表象と日本文学における台湾表象の相互性」を成功させたことは大きな成果である。さらに、合計4本の論文の発表、『台湾新文学史』『神秘列車』という大部の翻訳書の刊行、さらには5回目となる国際ワークショップの主催など、充実した研究成果を公表できたものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の最終年度に当たる2016年度には二つのシンポジウムを予定している。一つは『台湾新文学史』の翻訳刊行を機に、著者の陳芳明を招き、1990年代の台湾文学を回顧する予定である。さらには白水紀子による甘耀明『殺鬼』の翻訳刊行を機に、作者甘耀明を招き、現代台湾文学における日本表象をめぐるシンポジウムを行う予定である。 そのほか、個人活動として、研究代表者の垂水千恵は2回の国際シンポジウムに参加、論文を発表し、研究成果を公表する予定である。 赤松美和子はAAS-in-ASIA 2016 Kyoto(同志社大学、6月24-27日)において、パネル「Identity in Motion, History in Question: Horizons of the Visual Cultural Practices in Taiwan」の報告者の一人として、「Japanese Images in Genres:Pretexts of the Japan Complex in Taiwan Cinema」と題して報告予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年に計画最終年度であり、成果報告のための国際学会参加に際して翻訳料が発生することが予想されたため、計画的に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分担研究者の赤松美和子はAAS-in-ASIA 2016 Kyoto(同志社大学、6月24-27日)において、パネル「 Identity in Motion, History in Question: Horizons of the Visual Cultural Practices in Taiwan」の報告者の一人として、「Japanese Images in Genres: Pretexts of the Japan Complex in Taiwan Cinema」と題して報告予定であり、その翻訳料として使用する。また研究代表者の垂水千恵は国立東華大学主催「第七屆文學傳播與接受學術研討會」(5月26,27日)で「台裔作家的台湾/中国書写―以陳舜臣・東山彰良為中心」の報告が決定しており、その翻訳料の一部として使用する。
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Research Products
(13 results)