2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Emprical Research on the acquisition of the grmmar based on the case analysis of Language retarded Children
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26370452
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高井 岩生 九州大学, 人文科学研究院, 専門研究員 (30437751)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 動作語獲得 / 項構造 / 項名詞 / 語彙的意味 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度以降の研究は、文構築のメカニズムをつくることを目的としている。特に、各述語が持っている項構造の情報が文構築の際に、どのように利用されるのかということ、文が構築されていく過程で、格助詞がどのような役割を果たしているのかということを研究している.昨年度は,項名詞と付加詞に注目し,文構築のメカニズムがこれらを区別するために,どのような言語情報を利用しているのかということを考察した.具体的には,「経路」を表すヲ格名詞と「動作の対象」を表すヲ格名詞との分布を比較し,「経路」のヲ格名詞は動詞のアスペクト的性質によってその生起が決定されるということを明らかにした. (1)a.?*隕石が雨の中を地表に落ちた. b.隕石が雨の中を地表に落ちてきた. ヲ格名詞は,テクルにより継続性の意味を持つようになった(1b)では共起可能である.これは,ヲ格名詞が「継続性」という特性を持ち,その生起は「落ちる」という動詞のアスペクト的特性と合致するかどうかで決まると考えれば,説明できる.このように付加詞は動詞のアスペクト的性質と密接に関係している.これに対して,「対象」のヲ格名詞は,よく知られているように動詞の中核的意味と合成されて,動作概念をつくる. (2)a.宝物を埋める.(穴に入れて土をかぶせる) b.武道館を埋める.(いっぱいにする) つまり,文構築のメカニズムは,動詞とアスペクト的に結びつくのか,あるいは中核的意味の点で結びつくのかという点で,項名詞と付加詞とを区別しているのである.
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Research Products
(1 results)