2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Ba theory related with Language and Communication: Strive toward Solution of Modern Society Problem
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26370461
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大塚 正之 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), その他(招聘研究員) (40554051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 祥子 日本女子大学, 文学部, 研究員 (60060662)
岡 智之 東京学芸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90401447)
櫻井 千佳子 武蔵野大学, 工学部, 准教授 (30386502)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 場の理論 / 場内在的 / 場外在的 / 複雑系 / 共創 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においては、5月に山口征孝神戸市大学准教授を招き、「場の理論と複雑系科学の接点を探る:英米の語用論を中心に」というタイトルで発表していただいた。そこでは場の理論の「共創」と複雑系科学の「自己組織化」が相補的であり、整合性をもつことが示された。8月に三輪敬之早稲田大学教授を招き、「場を耕す共創のアート~手合わせ表現を手がかりに~」を発表。そこでは「手合わせ」という非言語的なコミュニケーションを用いることで、身体的な同期現象が引き起こされ、言語的接触が困難な自閉症者との間で、身体を通したコミュニケーションが創発し、自己組織化されていくプロセスが示された。 これらを踏まえて、2017年1月には、文化人類学者である菅原和孝京都大学名誉教授を招いて「場に生成する身体ー会話・語り・身ぶり」と題する講演を実施していただき、引き続き「ことば・身体・場:競争社会から共創社会へ」というタイトルで、上記菅原・三輪両教授と本研究会メンバー大塚、岡の4名が登壇し、議論を行った。その研究成果を「言葉・身体・場」という小冊子にまとめ、関係者に配布した。 また、平成26年度から28年度にかけて何人もの研究者に発表していただいた内容を、更に場の理論の視点から統合するべく、場の言語・コミュニケーションに関する書籍を発刊することが決まり、原稿もほぼ集まり査読中である。 これらの一連の研究から、言語は、具体的な「場」において、身体と密接にかかわりながら、相補的な仕方で、コミュニケーションを形成しており、身体において言語と非言語とが不可分に結びついてコミュニケ―ションを可能にしていることが明らかになってきた。 また同時に、日本語が場内在的であり、英語が場外在的であることがいろいろな実例によって示され、日英の言語比較を行う場合、この場に対する位置付けの違いが重要であることが明らかになってきた。
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Research Products
(8 results)