2014 Fiscal Year Research-status Report
甲骨卜辞に見える古代中国の文字文化の研究─史官と文書制度を中心に─
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26370465
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
陳 捷 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (10469182)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 甲骨文字 / 卜辞 / 文字文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず研究資料の収集から始めて、先行研究の成果を広く集め、深く理解し、正確に把握した。『甲骨文合集』(中華書局、1978-1983年)、『小屯南地甲骨』(中華書局、1980、1983年)、『英國所藏甲骨集』(中華書局、1985、1992年)、『甲骨文合集補編』(語文出版社、1999年)、『殷墟花園莊東地甲骨』(雲南人民出版社、2003年)、『北京大學珍藏甲骨文字』(上海古籍出版社、2008年)、『上海博物館藏甲骨文字』(上海辭書出版社、2009年)、『中國社會科學院歴史研究所藏甲骨集』(上海古籍出版社、2011年)、『殷墟小屯村中村南甲骨』(雲南人民出版社、2012年)などの甲骨著録書や、蔡哲茂『甲骨綴合集』(樂學書局、1999年)など綴合関係の著書、論文を丹念に調べ、著録情報や綴合の成果を全て抽出し、基本資料を蓄積した。 また、中国の博物館などの関係機関を訪問し、甲骨の実物や拓本を研究し、関連資料を把握した上で、細心の注意をもってコンピュータによって整理を進めながら、『殷墟甲骨著録綴合綜表』(假題)の編纂に取りかかり、殷墟甲骨の著録情報や綴合の成果を分かり易い形でまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画のとおり、甲骨卜辞の著録と綴合に関する調査や整理を中心に順調に進んでいる。研究代表者が鋭意研究に努め、研究環境が整備されていることもあって、当初の計画では次年度に予定していた研究発表を前倒しして、本年度のシンポジウムで行うことができた。また、次年度に予定していた現地調査の一部も本年度に実施することができ、予想以上に数多くの資料を入手できた。 このような努力によって研究をより円滑に進めることができ、多くの研究成果が期待される。また、比較的早く研究成果を発信することによって、内外の研究者と学術交流を深めつつ、研究目的を早期達成できよう。以上のことを踏まえて、本年度は当初の計画以上に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は初年度に続き、研究計画に沿って着実に研究を進め、研究目的の達成を目指して鋭意推進してゆく予定である。また、時間が許す限り当初予定していない、本年度以降に公表された甲骨の著録や綴合に関する最新の情報をも積極的に取り入れ、本研究の成果に反映させようと考えている。いずれにせよ、より早く多数の研究成果を上げるため、できるだけ多くの資料を精査しつつ、厳密に分析して慎重に考証し、深みのある著書や論文をまとめてゆく。
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Causes of Carryover |
初年度は一部書籍の納品が遅れたため、当該年度の研究費に未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も各種の資料集や先行研究の成果を含めて、甲骨学・文字学関係の図書が欠かせないものなので、引き続き購入して次年度の研究計画を進めてゆく。
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Research Products
(2 results)