2014 Fiscal Year Research-status Report
日本人学習者のライティングのメタ談話標識のエラー分析
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26370506
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
三木 望 駒澤大学, 総合教育研究部, 講師 (00632100)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタ談話標識 / メタ談話標識のエラー / 添削文 / 学習者コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は日本人大学生の学習者コーパス(NICE)とその添削文コーパスの3セット(合計1,020個のテクスト)にHyland (2005)のメタ談話標識(metadiscourse marker)のリスト(約560項目)に基づいてメタ談話標識のタグを付与した。そして、学習者コーパスのメタ談話標識を対応する添削文コーパスのメタ談話標識と照合しながら、学習者のメタ談話標識が添削文で削除されている場合を「余剰エラー(addition error)」、メタ談話標識が添削文で追加されている場合を「脱落エラー(omission error)」、メタ談話標識が添削文で他のメタ談話標識に変更されている場合を「選択エラー(selection error)」、メタ談話標識の位置が添削文で変更されている場合を「語順エラー(order error)」として学習者のメタ談話標識をのエラーを4つに大別した。添削文コーパスの3セット中1セットに対して、メタ談話標識のタグの中にエラーの種類の情報や修正語を埋め込む処理を手作業で行っている。さらに、エラー修正の対象となっていて、特に因果関係を表すメタ談話標識の過剰語が、日本人学習者に固有の特徴なのか、ICNALE (the International Corpus Network of Asian Learners of English)に収録されている他のアジアの英語学習者のメタ談話標識と比較して、分析した。そして、その結果をAILA World Congress 2014で発表した。 本研究の意義は、日本人学習者のメタ談話標識の過剰使用や過少使用を分析するだけでなく、メタ談話標識のエラーの種類(余剰・脱落・選択・語順)を特定して、修正語をタグの中に記述することによって、どのメタ談話標識のエラーの種類でどのような修正がされたのか解明を試みていることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
メタ談話標識のエラータグを手作業で付与して、種類が重複している複雑なメタ談話標識のエラーなどがあるため、エラータグの付与の作業に時間がかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では、2年間で3セットの添削文コーパスにメタ談話標識のエラータグを付与する予定であったが、平成27年度は添削文コーパスの2セットに限定してタグ付けを完了する。そして、当初の予定どおり、量的分析と質的分析を行う。 量的分析では、日本人学習者のメタ談話標識の中で「何」が修正の対象になっているのか、質的分析では、「どのように」修正されているのか、統計処理に基づいて調べる。前者は、メタ談話標識の頻度とメタ談話標識のエラーの種類別頻度を検定して、多重比較を行う。そして、コレスポンダンス分析によって、レベル群とメタ談話標識およびメタ談話標識のエラーの分布から関連性を探る。質的分析では、タグに埋め込まれている修正語をメタ談話標識のエラーの種類別にテキストから抽出して、頻度が低くとも共通する意味素性がないか手作業で分析する。
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Causes of Carryover |
海外の学会出張に大学の助成金を使用したため、旅費の支出が抑えられた結果、6,874円があまったと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究に必要な書籍を購入する。
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