2016 Fiscal Year Research-status Report
日本人学習者のライティングのメタ談話標識のエラー分析
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26370506
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
三木 望 駒澤大学, 総合教育研究部, 准教授 (00632100)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メタ談話標識 / 学習者コーパス / 添削文 / メタ談話標識のエラー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、これまで扱っていた日本人学習者コーパス、NICE (Nagoya Inerlanguage Corpus of English) Ver. 2のデータからVer. 3.2にデータを切り換えて、日本人学習者のライティングにメタ談話標識(metadiscouse marker, Hyland (2005))のタグを付与した。そして、NICEの添削文を使用しながら、これらのメタ談話標識のタグにエラータグ(「余剰エラー(addition error)」、「脱落エラー(omission error)」、「選択エラー(selection error)」、「語順エラー(order error)」)を手作業で付与及び修正して、分析した。その結果、メタ談話標識が他のメタ談話標識や表現に変更される選択エラーが最も多く、語順エラーが最も少ないことが判明した。また、レベルが上がるとエラーが減ることが確認され、メタ談話標識のカテゴリー別では、Transition MarkersのComparison(例:but)とConsequence(例;so)が最も修正が多いことがわかった。英語母語話者コーパスと比較して得られた日本人学習者の過剰語・過少語と比較した結果、過剰使用語でも、添削文で修正される語と修正されない語があること判明した。こうした結果は、学習者のメタ談話標識の使用が、学習者のライティングが文法的に正しくとも、母語話者と異なる印象を与える要因であると指摘されているにもかかわらず、英語母語話者によるライティングの添削による指導では、限界があることを示唆している。このことから、学習者のライティングのフィードバックについて、どのような誤りかを直に示す直接的な修正フィードバック(corrective feedback)以外の方法を考案する必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでの遅れに加えて、使用したデータ(NICE2系)に問題がわかり、改訂版のデータベース(NICE 3系)で最初からメタ談話標識のエラータグを付与・修正・分析したため、平成28年度の計画が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間を1年間延長することにした。メタ談話標識のエラータグの分析は完了しているので、今年度は、その結果に基づいて実験を行い、データ駆動型学習の実践を行う予定である。
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Causes of Carryover |
データの処理と分析が遅れたため、研究費を使用することがあまりなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文の添削費用、学会出張費などにあてる。
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Research Products
(1 results)