2014 Fiscal Year Research-status Report
社会科学系基礎文献における語彙の分野横断的包括分析調査とWeb辞書の試作
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26370597
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
今村 和宏 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80242361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 圭 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (40313449)
三枝 令子 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (60215580)
庵 功雄 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (70283702)
五味 政信 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (00225674)
高橋 紗弥子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (80646810)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 専門語彙分析 / コーパス / Web辞書 |
Outline of Annual Research Achievements |
二字漢語・三字漢語・四字漢語の漢語語彙について、領域・細目別に出現頻度順に再整理したうえで、「学術共通語彙」「社会科学共通語彙」「領域共通語彙」「細目専門語彙」の4種を特定した。「学術共通語彙」を選定するさいには、人文科学・自然科学の分野の語彙の頻出語彙と比較検討する必要があるため、人文・自然科学分野の簡易コーパスを作成のうえ、統計分析した。また、その特定のプロセスにおいて得られた知見は、社会科学系留学生に対する語彙教育に活かしたほか、その成果は、2015年1月に論文「社会科学系基礎文献における分野別語彙、共通語彙、学術共通語彙の特定―定量的基準と教育現場の視点の統合―」を『専門日本語教育』第16号(査読有)にて公表することができた。 一方、和語・外来語・混種語の非漢語系語彙については、領域・細目別に出現頻度順の整理は完了間近であるが、「学術共通語彙」「社会科学共通語彙」の特定作業については、いまだ試行錯誤を繰り返している段階にある。 なお、以上の作業と並行して、当初、研究2年目以降に予定されていた作業のうち、共起・連語形成パターンの分析は、研究1年目中に、前倒しで開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
語形変化のない漢語と外来語(カタカナ語)の自動抽出は順調に進んだが、語形変化をともなうことの多い動詞を多数含む和語の抽出は、自動抽出ではカバーしきれないものが多数あり、手作業を含む何段階ものステップを踏む抽出システムを構築するなど、種々の試行錯誤が必要となった。よって、研究補助員が実施する作業のためのマニュアルが当初予定していたものより複雑なものとなり、その分、研究補助員の作業時間が長くなり、研究代表者および研究分担者による分析開始の時期がずれこむこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である2015年度は、今後の上記の遅れを取り戻すとともに、当初の計画通り、頻度が高い二字漢語について、造語力、品詞性、類義語・対義語との関係、共起・連語形成パターンの四つの観点から分析を進めるほか、和語・外来語・混種語の非漢語系語彙についても、少なくとも、共起・連語パターンについては、分析を試みることが妥当だと思われる。なお、分析結果から得られた知見は、途中段階のものを含め、積極的に成果を発表していく方針である。 3年目である2016年度は、上記分析の結果をとりまとめるとともに、Web辞書プロトタイプの作成に力を入れる予定である。 なお、複数の研究分担者が定年退職や休職により分担から外れるため、本来6名体制であった研究体制が、2年目は4名、3年目は5名になるが、その欠員が研究の進捗に支障を及ぼすことのないように措置することが大きな課題となる。
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Causes of Carryover |
年度末に執行額の調整をした際、端数が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度執行予算の補てんに使う予定である。
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Research Products
(4 results)