2015 Fiscal Year Research-status Report
自律学習促進のためのTAを活用したEFLライティングフィードバックの研究
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26370625
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大年 順子 岡山大学, その他部局等, 准教授 (10411266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マーリー ギャロルド 岡山大学, その他部局等, 准教授 (40307244)
宇塚 万里子 岡山大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40601381)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ライティング指導 / ピアラーニング / ティーチングアシスタント / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大学でのライティング指導を促進する方策としティーチング・アシスタント(TA)によるフィードバックの効果的なアプローチを探っている。TAを活用することにより,教師によるフィードバックとは異なる「ピアフィードバック」の可能性を拓くことができる。TAのフィードバックをより信頼性が高く,ライティング向上に有益なツールとして活用することにより,学習者のライティングに対する教室外での自主学習を促進することにつながると考えられた。さらに,学習者にとっては,「先輩」という同じ学生の立場であるTAからフィードバックを受けることにより,学習意欲が刺激されることが予想され,より自律した学習者へ育成することも本研究の目的としている。また,TAを将来のグローバル人材としてとらえ,identityの変化にも着目していき,質的な研究を深めたい。
本研究の実施にあたり,英語力,留学経験,および人柄を考慮して適性のある人材をTAとして採用し,チューターとなるためのトレーニングを行った。その後実地研修として,実際に後輩学生へライティングの個別指導を行い,その模様を音声データに記録して談話分析を行った。TAとして学習者のライティングにフィードバックを与える中で,自分の英語力だけでなく,どのように自律した指導者としての芽生えていくのかを質的検証を行い,平成28年度もポーランドのピアチューター国際学会で口頭発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に採用した4名のチューターたちが全員トレーニングを経て、実際に後輩学生へライティングのチュートリアルを行った。そのチュートリアルの模様を談話分析を行い、どのようにチューターと後輩学生がライティング力向上のためにコミュニケーションをとっていったかを質的に検証した。また、チューターと、チュートリアルを受けた後輩学生にアンケートやインタビューを行うことにより、双方の自律的な学習態度も分析した。研究の結果を2015年11月にニュージーランドのオークランド工科大学で開催された第14回Symposium on Second Language Writingにおいて、Training Peer Writing Tutors: Practice and Perspectivesとするタイトルで口頭発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、2016年7月7日~7月10日まで開催されるポーランドのウッチ大学で開催されるEuropean Writing Center Association Conference において、Training peer writing tutors: A case studyと題する発表を行う。また、韓国やアメリカのライティングセンターも訪問し情報収集や現地の研究者との会議も行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度の国際学会参加は、オークランド工科大学で開催された14th Symposium on Second Language Writingのみであったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は研究3年目の成果の最終的な発表の年となる。7月のポーランド出張をはじめ、韓国とアメリカで研究の紹介とライティングセンターなどの施設の見学などに予算を充てる予定としている。
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