2015 Fiscal Year Research-status Report
模範英語小論文の計量傾向調査―効果的な英語小論文教授法の発案―
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26370653
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 文彦 群馬工業高等専門学校, 一般教科(人文), 准教授 (50413745)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | writing / English essay / ESL / sentence fragment / 英作文 / 統語 / 断片文 |
Outline of Annual Research Achievements |
2010年度に発行された日本経済新聞英文社説記事の計量傾向について考察し、論文を執筆し始めた。年度内には執筆を終える予定である。朝日新聞英文社説記事・TOEFLエッセイにおける(a)基本的分量特性、(b)読みやすさ、(c)語彙、(d)統語的特徴の計量調査についても、暫定的ではあるが結果が出た。 また、日本人学生の執筆する英語エッセイを分析する目的で、断片文(sentence fragment)の執筆傾向や分析的評価基準で評定したエッセイの構成・表現・語彙力などを調べた。その後、英語エッセイの質と深く関与していると考えられる英語読解力との相関係数を算出し、学会で発表した。国際的に関心のあるテーマとするために、国語作文力(第一言語作文力)と英語作文力(第二言語作文力)の関係についても分析した(この考察を基にして、次は可能な範囲内で日本人学生の執筆する英語エッセイと模範的な英語エッセイとの隔たりを分析していきたいと考えている)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本経済新聞英文社説記事、朝日新聞英文社説記事、TOEFLエッセイの計量傾向分析は概ね終了している。しかし、論文として成果を発表するためにはさらに精緻な追加分析を要することが判明したため。
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Strategy for Future Research Activity |
他の研究者が追試をしてもあるいは類似研究をしても、揺れのない結果を導くために、現在分類している基準より更に細かい統一基準の設定が必要である。例えば、省略されている部分をどのように解釈するかということにより、複文と解釈可能な場合もあるし、そうでない場合もある。例えば、(1) what if S+V, (2) when necessary, if anything, if necessary, whenever possible (その他: if any, if ever, if in doubt, if about to do, if possible, if desired), (3) S+V when -ing などである。これらは慣用的に主節・従属節内のS+Vが省略されているといえるため、複文と解釈することが妥当であろう。 これらの分類はまだ容易な方であるが、比較級のthanは前置詞あるいは接続詞のいずれとも解釈できる英文が多く、その解釈の差により単文とも複文ともとらえることができてしまう。これは本研究で調査している1 T-unit当たりの単語数の平均値にも影響を及ぼすため、文章の意味や構造等を考慮した上で分類しなければならない。 また、quotationで示されている被伝達部に節が含まれていて(例 S + says, “---.”)、それが単文・重文・複文となっている場合、文全体としてはどのように解釈し分類していくかということも検討課題である。
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Causes of Carryover |
論文として成果を発表するためには、さらに精緻な追加研究を要することが判明したため、計画通り予算を執行できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
可能な限り早急に追加研究を終了させ、研究成果を発表する。
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Research Products
(2 results)