2014 Fiscal Year Research-status Report
「読むこと」「書くこと」を統合的に指導する小学校英語教育のプログラム開発
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26370725
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
高橋 美由紀 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30301617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 善和 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40220181)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CAN-DO リスト / 4技能テスト / 国際情報交換 中国 / 事例研究 日本 / 予備調査 / 調査分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小学校英語教育において、ヨーロッパ共通参照枠を基にして、「教科化」を視野に入れて「読むこと」「書くこと」など文字指導を導入し、4技能を統合的、総合的に指導するためのカリキュラム開発とCAN-DO リストによる評価のプログラムを構築することである。 すなわち、この研究の目指すところは、グローバル化に対応し、小学校英語教育の効果的な指導と現場で容易に活用できるプログラムを構築することであり、さらに、これらのプログラムの実証研究に基づいた、教育実践への具体的な方法を提示することである。 本年度の成果としては、日本の外国語活動を経験した学習者に適した CAN-DOリストとその評価のあり方のパイロットスタディを実施した。具体的には中学校1年生の授業が開始直前の4月に、A中学校1学年全員にアンケート調査を実施した。また、「読むこと」「書くこと」については、教科化の目標が「基礎的な能力の育成」であるが、その前段階として、現在高学年の児童がどの程度、基礎的な能力を習得しているかについて、中学校1年生の英語教員とALTに協力を得て、テスト調査を実施した。更に、中学校の英語指導員らとその結果を分析した。 「文字指導」「読むこと」「書くこと」の教材研究として、イギリスの母語教育でのリテラシー研究、中国や韓国、ロシア等、外国語として低学年、中学年から英語教育を実施している国の「文字指導」「読むこと」「書くこと」の指導に焦点をあてて、教科書などの分析を行った。 さらに、日本の小学校での英語教育において、文字指導を採り入れている学校現場を訪問し、授業参観、及び、教員面談などを試みた。 また、グローバルな視点から、海外の第二・外国語教育で小学校から文字を導入している国が実施しているテスト等の調査も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小学校英語教育を教科として導入している諸外国の事例調査研究を試みるつもりであったが、研究代表者の不慮の事故のため、海外視察が困難であった。そのため、それ以前に準備していた中国の杭州の小学校中学校のみの実施となった。 そのため韓国、イギリス、ロシア、中国等の教科書分析が中心となり、事例研究からの「読むこと」「書くこと」を小学校英語に導入したカリキュラム案の作成が実施できなかった。また、諸外国の事例研究を基にした日本での「文字指導」のパイロットスタディが十分にできなかった。 したがって「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査から本調査への調査内容についての検討する。小学校英語教育の教科化は日本では初めてのことであり、指導内容、教材等についても、中学校の前倒しになりかねない。 「小学校教育の特質を活かした 英語教育」を追究するためには、 グローバル化に対応した英語教育のカリキュラム構築を作成するために、国際情報交流を積極的に行う必要がある。 さらに、教材・教具についての研究も行い、カリキュラムを構築する。 また、実証研究として、私立小学校での英語教育経験者、公立小学校での外国語活動経験者の実態を調査し、「グローバル化に対応した新しい英語教育」のあり方として、今後の日本の「小学校英語教育」を示唆できるようなカリキュラム開発、指導法、教材等を提示する。
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Causes of Carryover |
研究代表者が不慮の事故のため、予定していた海外調査研究を行うことができなかった。 研究分担者が在外研修期間が半年あったので、国内での研究が進まなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英語を外国語として学び、小学校から教科としている諸外国の事例調査研究を行う。教材研究として、絵本、ICT教材を購入する。カリキュラムのパイロットスタディ及び、実証研究先の小学校での打ち合わせ、及び授業観察のための旅費、謝金等に使用する。また、成果発表として学会や研究会などで、積極的に発表を行う予定である。
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Research Products
(11 results)