2014 Fiscal Year Research-status Report
日本古代における国造制と伴造制の比較研究-国造・伴造研究支援データベースの構築-
Project/Area Number |
26370773
|
Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
篠川 賢 成城大学, 文芸学部, 教授 (30149059)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正信 早稲田大学, 高等研究所, 准教授 (30538335)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 日本史 / 古代史 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、以下の①~⑤を実施した。①伴造関係記事の収集・整理:これまで伴造制研究で利用されてきた『研究史部民制』『古代史演習部民制』や、国造研究会で蓄積したレジュメ、既存の各種索引・データベースを活用して、伴造制に関係する歴史書・古文書などの記事を収集・整理した。②伴造関係出土文字資料の収集・整理:既存の木簡データベース・墨書土器データベースや、『木簡研究』、宮都および各地の発掘調査報告書、木簡の集成資料、国造研究会で蓄積したレジュメなどを利用して、伴造制に関係する出土文字資料を収集・整理した。③伴造関係文献の収集・整理:伴造制に関係する先行研究を整理し、必要な図書を購入した。篠川の勤務先である成城大学、鈴木の勤務先である早稲田大学のほか、各研究機関・図書館において、関係する論文の収集・複写を行った。④成果物の体裁の検討:上記③で収集した参考文献をもとに近年の研究動向を改めて調査し、上記①~③で収集した伴造に関連する記事・出土文字資料・参考文献を分類して、平成27年度以降に計画している史料集・論文目録・テキスト・データベースの体裁を検討した。⑤伴造制の実態の検討:上記①~④より得られた知見を基礎とし、伴造制に関する先行研究(著書・論文・発掘調査報告書)を整理して、研究の現状と課題の明確化をはかった。その上で、中央伴造と地方伴造の関係を中心に、伴造制の実態を検討した。特に、篠川と鈴木が近年刊行した『物部氏の研究』(雄山閣、2009年)・『大神氏の研究』(雄山閣、2014年)で取り上げた物部氏(物部連-物部)と大神氏(三輪君-神部)を中心に、他の氏族の事例と比較検討を行うことで、中央伴造と地方伴造の関係について制度的側面から検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、①伴造関係記事の収集・整理、②伴造関係出土文字資料の収集・整理、③伴造関係文献の収集・整理、④成果物の体裁の検討、⑤伴造制の実態の検討を計画した。このうち①は、約3500件の伴造関係記事を収集し、現在整理中である。②は、約2000件の伴造関係出土文字資料を収集し、現在整理中である。③は、先行研究を整理を行い、必要な図書を購入と、関係する論文の収集・複写を行った。④は、平成27年度以降に計画している史料集・論文目録・テキスト・データベースの体裁を検討した。⑤は中央伴造と地方伴造の関係を中心に、伴造制の実態を検討し、著書1冊、論文3本を刊行した。また、学会報告を4回行った。以上のことから、本研究計画はおおむね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には以下の⑥~⑧を、平成28年度には以下の⑨・⑩を実施する。⑥「伴造関係史料集」の作成:平成26年度に収集・整理した伴造の関係記事を、文書作成・表計算ソフトでデータ入力・整理し、「伴造関係史料集」を作成する。各記事には史料名・本文(訓読文)・読み下し・出典・解説を、末尾には事項索引を付す予定である。⑦「伴造関係出土文字資料集」の作成:平成26年度に収集・整理した伴造に関する出土文字資料を、文書作成・表計算ソフトでデータ入力・整理し、「伴造関係出土文字資料集」を作成する。各記事には史料名・本文・出典・解説を、末尾には事項索引を付す予定である。⑧「伴造関係文献目録」の作成:平成26年度に収集・整理した参考論文の情報を、文書作成・表計算ソフトでデータ入力・整理し、「伴造関係文献目録」を作成する。伴造制全般の研究と、個々の伴造氏族に関する事例研究に分類し、末尾には事項・著者索引を付す予定である。⑨「国造・伴造研究支援データベース」の作成:平成27年度に作成するデータを再編集し、すでに作成している「国造研究支援データベース」を発展させて、「国造・伴造研究支援データベース」を構築する。上記⑥~⑧のテキストデータを主体とする。研究期間終了後も随時更新する。⑩国造制と伴造制の関係の解明:本研究の総括を行う。平成26年度・平成27年度に得られた知見を基礎とし、上記⑥~⑨を活用して、国造制と伴造制の関係を明らかにする。研究経過は、国造研究会で年度途中に定例報告を行う。平成28年度末には国造研究会で最終成果報告を行い、3年間の研究を通じて得られた知見を総合して、本研究を総括する。その成果を論文にまとめて学術雑誌を執筆する。もしくは論文集を刊行する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、伴造制に関する研究図書・発掘調査報告書等の購入が予定よりも若干少くなったことによる。また、伴造制に関する記事・出土文字資料の収集件数目標を余裕をもって設定し、その分の作業と時間を成果物の体裁の検討に当てたため、謝金の支出が予定よりも若干少なくなったことによる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記使用額については、次年度の物品費(研究図書・発掘調査報告書等の購入費)および謝金(伴造制に関する記事・出土文字資料の収集作業に対する謝金)として使用することを計画している。
|
Research Products
(8 results)