2016 Fiscal Year Annual Research Report
TASHIRO Yasusada's "Old Custom" Surveys in Okinawa and Taiwan: Influences on the Formation of Japanese Colonial Policy
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26370798
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| Research Institution | University of the Ryukyus |
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Principal Investigator |
大浜 郁子 琉球大学, 法文学部, 准教授 (60459964)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 田代安定 / 田代安定関係資料（＝「田代文庫」） / 「旧慣」調査 / 沖縄関係資料 / 近代台湾 / 近代沖縄 / 近代日本 / 翻刻 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である今年度は、台湾大学図書館所蔵「田代文庫」所収の「沖縄関係資料」の翻刻を可能な限り進展させるための補充調査を行った。国内では、国立公文書館所蔵の公文書や国立国会図書館憲政資料室所蔵の個人資料に収録される田代関係資料の収集と翻刻の補完作業を行った。国内外の補充調査においても、田代や沖縄と台湾の「旧慣」調査に関する新史料を見出した。これらの新史料は、目録に追加して電子データと関連づけ、将来的な総合目録の完成に備えた。現時点における本研究の到達点として、田代安定による沖縄と台湾における「旧慣」調査と統治政策の形成の比較に関する研究報告を国際シンポジウム「第九屆臺灣總督府學術研討會」（於台湾・國史館臺灣文獻館）にて行い、報告内容は同国際シンポジウム論文集に掲載が決定している。
本研究の研究成果としては、まず、国内外に分散所蔵される田代関係資料の調査により、複数の新史料を見出したことである。国際情勢の影響により、本研究期間中には実施できなかったロシア科学アカデミーコマロフ植物学研究所の調査については今後に期し、将来的に田代関係資料の総合目録の完成を目指したい。次に、「田代文庫」所収の「沖縄関係資料」のうち、比較的保存状態の良好な「旧慣」調査資料の翻刻が格段に進展したことである。いうまでもなく、これらの「沖縄関係資料」は沖縄には現存せず、沖縄にとっては貴重な一次史料である。翻刻の進展により、沖縄・八重山諸島の「旧慣」調査の実態が明らかになるのみならず、明治政府による沖縄への「旧慣温存」政策が「温存」された理由が明らかになる可能性につながる。さらに、田代を通して、日本による沖縄と台湾における「旧慣」調査と統治政策の形成の連関を部分的に明らかにすることができたことである。今後も「沖縄関係資料」の翻刻を継続して全文翻刻を完成させ、さらなる研究の進展をはかりたい。
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