2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370805
|
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
母利 美和 京都女子大学, 文学部, 教授 (60367951)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 淀藩 / 稲葉家 / 藩政機構 / 京都所司代 / 大坂城代 / 戊辰戦争 / 家臣団 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査・研究の経緯 調査研究を進めるにあたり、5月から淀藩関係の基礎データを収集作業を実施。寛政譜の記事を歴代藩主別に編年順にエクセルデータ化する作業を実施した。また淀藩の藩政組織・役職補任の基礎データがないため、淀藩士上月家文書の中からデータを集め「分限帳」「淀藩家老補任一覧」を作成。これらデータを整理し、まず研究協力者との会議を平成26年8月11日に開催、研究の趣旨、計画を説明した。研究対象史料は①「稲葉神社所蔵文書 甲・乙」(京都府立総合資料館所蔵)、②「田辺家文書」(京都府立総合資料館所蔵)、③「淀藩渡辺家文書」(京都市歴史資料館所蔵)、④「山城国淀藩士上月家文書」(京都女子大学図書館所蔵)であるが、それ以外に、東京大学史料編纂所所蔵、内閣文庫所蔵の淀藩・稲葉家関係文書、他藩の家臣団関係文書等も対象とすることを確認した。 史料調査については、東京大学史料編纂所所蔵の稲葉家関係文書については、11月に調査を実施し、「稲葉家譜」「稲葉正邦家記」「稲葉正邦公閣老在職中秘書類写一~五」「稲葉正諶日記」などを調査し、複製を作成依頼した。 11月29日(土)に第2回目の研究会を京都女子大学において開催し、淀藩関係資料の調査状況について説明した。今後①淀稲葉神社の現地視察の実施、②武鑑データにより淀藩の藩政機構の基礎データ作成するこを確認した。 その後、内閣文庫所蔵の淀藩関係文書については、平成27年3月に調査を実施し、「元文五年以来代々勤め書 一~三」「御城代被仰付候後覚書」「支配調役之儀ニ付直書伺書其外内証控 一~五」「大坂御城代勤役中直書留」「大坂御城代在府中留」「淀藩加藤某御用留」などの史料を調査した。米沢藩上杉家関係の史料調査は平成27年3月に実施し、家臣団の内、歩行以下の身分である下級武士関係の元文期、文化期、天保期における履歴史料を複写(約70000頁)し製本した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の調査対象であった、京都府立総合資料館・京都市立歴史資料館所蔵の淀藩関係史料については、日程調整がつかず実施できなかったが、研究協力者から追加調査の指摘があった、東京大学史料編纂所、内閣文庫の史料調査は完了できた。また、他藩(米沢藩)の史料については、5割程度調査を実施することができた。全体的に見れば、当初計画の史料調査が未実施に終わり、写真撮影委託経費などが執行できておらず、やや遅れ気味である。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度の研究会議で指摘があった、旧淀城下の現地調査や地元研究者との意見交換会を進め、淀藩関係の情報収集をさらに進めることが必要である。史料調査では、26年度に実施できなかった、京都府立総合資料館・京都市立歴史資料館所蔵の淀藩関係史料の調査を優先的に進め、27年度中に淀藩関係史料の全貌把握ができるようにする。
|
Causes of Carryover |
当初計画していた、京都府立総合資料館・京都市歴史資料館が所蔵する淀藩関係史料の調査が、所蔵機関・研究協力者等の調査日程が調整できず未実施となった。調査に際して写真撮影委託費40万円を計上していたが全額残っている。また、史料翻刻作業については、26年度は的確な人材の目途が立たず未実施となっている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度では、京都府立総合資料館・京都市歴史資料館の調査を優先的に実施し、8月に調査を計画している。史料翻刻作業については、人材の目途が立ったので、5月から計画的に実施していく予定である。
|