2017 Fiscal Year Annual Research Report
a fundamental investigation into the roles played by the Yodo-Inaba clan, a hereditary daimyo, in the governance of Kamigata region during the middle and late periods of early modern ages
Project/Area Number |
26370805
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
母利 美和 京都女子大学, 文学部, 教授 (60367951)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 淀藩 / 稲葉家 / 上方支配 / 京都所司代 / 京都火消役 / 禁門の変 / 譜代足軽 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、研究成果報告書(史料目録・解題・翻刻)作成にむけて、収録する調査史料「山城国淀藩士上月家文書」2108点・「淀藩士高野瀬家文書」257点・「淀藩士竹林家文書」257点の最終的な史料点検作業、解題作成、翻刻史料の校訂作業を、大学院生等の協力を得ながら進めるとともに、本科研の連携研究者でもある岩城卓二氏を研究代表者とする科研費研究「幕末期における大坂・大坂城の軍事的役割と畿内近国藩」のメンバーと合同研究会を開催し、両科研相互の知見交流をおこない、研究成果に反映させた。 研究報告書は、①研究の概要と経過、②研究成果の概要、③研究論考、④史料翻刻、⑤史料目録で構成し、400頁200部を印刷し、研究協力者、関係機関へ贈呈した。 ③の研究論考では、岩城氏の「老中御用部屋日記『諸用留』に記録される京都火消役と京都警衛に関わり史料」として関係史料の史料翻刻・紹介があり、笹部氏は「淀藩稲葉家と禁門の-「淀藩家士在京日記」から見た幕末期の軍役-」として禁門の変に於ける淀藩の出動実態分析と史料翻刻があった。④の史料翻刻では、稲葉家の淀入封の際に作成された「淀藩引継文書綴」、稲葉家入封後の藩政実態を示す藩主からの「被仰出書」(享保17年~延享元年)を編集した「大儀院様御代被仰出書集」、藩主入封の際の規式を記した「御着城御当日御規式帳」、御籏奉行・御者頭・御持長柄奉行配下の足軽の譜代足軽化を指令した「組々御譜代被仰出候節より之留」、明和2年に若狭小浜藩酒井家を離れ、同5年に弓術指南役として淀藩に仕官した竹林要助の回顧録・日記である「竹林要助日記」を全文収録した。 所期の研究目的の内、実現できなかった部分もあるが、予定外の史料群の調査も実現し、淀藩稲葉家の近世中後期における藩政実態、幕府政策上での役割を研究するための基礎史料の収集紹介により淀藩の基礎研究としての成果は十分に得られた。
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Research Products
(1 results)