2014 Fiscal Year Research-status Report
二重帝国期のブルノにおける中等教育制度と言語・民族問題
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26370887
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
京極 俊明 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 講師 (20535942)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 西洋史 / 近代東欧史 / オーストリア=ハンガリー二重帝国 / チェコ / モラヴィア / 中等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
まずチェコ系高等教育機関の卒業者が、モラヴィアのチェコ国民運動に与えた影響について、京極俊明 「モラヴィアにおけるチェコ系知識人層の形成とその活動」『豊田工業高等専門学校研究紀要』47号 89-92貢所収 を執筆し、とくにチェコ系高等教育機関の卒業者と新しい文学運動の誕生の関係について明らかにした。 また2014年8月2日から19日まで、ならびに2015年3月20日から3月31日まで、チェコ共和国ブルノ市に出張を行い、ブルノ市文書館、モラヴィア州立図書館で史料状況の調査ならびに収集を行った。 国内では12月に一橋大学、3月に神戸大学に出張し、文献・雑誌の閲覧を行った ブルノのチェコ系ギムナジウムを中心に、学生名簿、年次報告書、各学校の○周年記念論集を閲覧した。学生名簿から親の職業が判明するため、時間はかかるが、入学希望者の社会階層の分析が可能となる。ブルノのチェコ系ギムナジウム入学1期生については、データの収集が完了している。学生の卒業後の職業については、○周年記念論集の卒業生名簿から、ある程度読み取ることができる。いかなる社会層がギムナジウムに入学し、どのようなキャリアを歩んだか、明らかにすることで、ギムナジウムの社会的な機能の一端を明らかにすることができるだろう。 またドイツ系ギムナジウムの入学者との社会階層比較も可能となり、ブルノの民族問題の把握に寄与することができるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
豊田工業高等専門学校において、2014年度より指導教員(担任)をはじめて受け持つことになった。最初の重い役職であり、かつトラブルも発生したため、研究に割ける時間が少なくなってしまった。紀要に論文を執筆したものの、学会発表をするところまで、史料を読みこなすことができなかった。 ただ研究の目標設定は間違いではなく、十分な史料が存在し、着実な努力により、成果を達成できる見通しが立ったのは大きな成果であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は夏季休暇に長期のチェコ出張を行い、史料の収集を続行する。また前年度に得た史料の分析を進め、年度後半には学会発表を行う。 残念ながら本務校での業務により、予定していた春のチェコ出張は行うことができない。その分は本年度、来年度の夏季出張を長期間行うことで、何とか補いたい。学校カレンダーの変更により、9月にチェコ滞在が可能になった。夏休みの8月に比べ、9月は図書館の開館時間も通常に戻るため、前年度よりもはるかに効率的な作業を行うことが可能となるだろう。
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Causes of Carryover |
2013年度にまとめて図書を購入していたため、図書購入費が予想を下回った。 海外出張期間が想定よりも短かった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は夏季に長期出張を行うため、より多くの経費が発生すると予測される。 また和書・洋書の購入を増やすことを想定している。
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Research Products
(1 results)