2016 Fiscal Year Annual Research Report
Language / ethnic problems in secondary education at Brno 1867-1918
Project/Area Number |
26370887
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
京極 俊明 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (20535942)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ギムナジウム / チェコ / オーストリア=ハンガリー / 民族問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度において、ブルノ市文書館の学籍簿が有用な史料である事が判明した。これに基づき、今年度は8月23日から9月18日にかけて、再びブルノ市の史料を活用すべく、長期出張を行った。今年度はチェコ系ギムナジウムの学生について、第一期生である1867/68年度入学者を中心にし、彼らが卒業する1874/75年度を中心に調査した。最初の卒業生、1874/75年度8年生の進学希望調査の結果、23人中13人が聖職者志望、7人が法学志望、2人が医学志望、1人が哲学希望と判明した。1876/77年度の8年生について調査すると、21人中13人が神学志望、3人が法学志望、2人が医学部志望、数学、地理・歴史が各1人という結果になった。聖職者・神学が多数を占める傾向が見られた。これまでの調査で、学生の出身社会層は、地方都市や農村の農業従事者、職人、小学校教員から構成されることが明らかになっている。出身社会層の影響から、神学・聖職者志望が多いと推測される。 本研究では中等教育全般について扱う予定であったが、史料の充実度と利便性から、ギムナジウムに対象を限定して調査を行った。期間についても第一期生の入学1867/68年度から卒業までの1874/75年度をひとつの節目とした。エリートへの登竜門であるギムナジウムが、民族運動の指導層の変遷と結びついていることは明らかである。しかしながら、二重帝国期のボヘミア、モラヴィア、シレジアについて、これまで個別のギムナジウムを取り上げて、学生の出自や進路について、実証的な研究は行われていなかった。本研究は当初の目標を達成することはできなかったが、ひとつの突破口を作ることには成功したといえよう。期間中に十分な業績を残せなかったことには忸怩たるものがあるが、今後本研究の成果を生かして、論文を執筆する予定である。
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Research Products
(1 results)