2017 Fiscal Year Annual Research Report
Change of Public Space and Restructuring of Communities in Globalization
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26370950
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩谷 彩子 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (90469205)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 公共空間 / ロマ/「ジプシー」 / ストリート / ジェントリフィケーション / グローバリゼーション / 道 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は(1)研究成果の公表、(2)現地調査、を行った。 (1)「グローバリゼーションと公共空間」をテーマに『文化人類学』82巻第2号で他の3名の執筆者と特集を組み、序文と、2016年度に行ったインド、アフマダーバードの公共空間についての調査をふまえた論文を投稿し刊行された。また、インドの公共空間であるストリートにおける社会的包摂と排除について論じた論文を、“Rethinking Social Exclusion in India: Castes, Communities and the State, London: Routledge”Minoru Mio and Abhijit Dasgupta (eds.)(Routledge)の第2章として執筆し刊行された。さらに、『インド文化事典』における「消費と流通」の章を編集し、その中で公共空間をになう「露店」および公共空間を媒介する「廃品回収」についての項目を執筆した。 (2)2017年8月には、フランスに出稼ぎに来ているルーマニアのロマが建設する「ロマ御殿」に関する調査を行い、西洋の公共空間における生業が、ルーマニアの公共空間の生成と関連づけられている点を検証した。2018年3月にトルコのイスタンブルにて公共空間の変容に関する調査を行い、2017年に違憲とされた市内中心部のタルラバシュ地区再開発の影響を、地区住民や開発業者へインタビューを行い明らかにした。
研究期間は途中で産休・育休のため中断を余儀なくされたが、おおむね順調に進展し、特にグローバリゼーションが進行する公共空間の変容に関する理論的な研究と、インド、アフマダーバードの公共空間の実態を明らかにすることができた。アテネ、イスタンブルについても比較研究の見通しが立ったが、パリについてはまだロマのネットワークに迫れていないところもあり、さらなる研究が必要である。
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