2016 Fiscal Year Annual Research Report
Astronomical Anthropology as Neo-Science
Project/Area Number |
26370967
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
後藤 明 南山大学, 人文学部, 教授 (40205589)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 天文学 / 人類学 / ネオ・サイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の調査としては2016年6月に沖縄の久米島の太陽石にて夏至の日の出の調査を行った。水平線に雲があり直接は実見できなかったが、従来言われているように、粟国島の背後から夏至の太陽が登ることはほぼ確認できた。しかし冬至の太陽が登ると言われてきた久場島であるが、現在、植物が繁茂して、実際は確認できないであろうことがわかった。 2016年11月には北海道の日高地方と胆振地方の調査を行った。アイヌ民族文化の中心地である二風谷遺跡、および埋葬遺跡が特定の方位を向いていることで有名な静内町の御殿山遺跡などを踏査し、周辺の地形と方位を確認し、写真撮影を行った。さらに二風谷のアイヌ資料館や静内町の博物館を訪問し情報を集めた。また白老のアイヌ民族博物館を訪問し、アイヌ文化の情報を集め、伝統家屋チセの構造や方位などを確認した。 さらに2016年12月には東京三鷹の国立天文台にて成果の報告会および意見交換を行った。後藤はこの科研で調査を行ってきた西日本の降星伝説について報告した。また角南は仏教民俗と星の文化について報告を行った。さらに石村と大西はキリバス諸島の景観分析について、またゲストの日本航海訓練所の奥智樹は専門の立場から星の航海術の経験について報告、天文台の吉田およびゲストの高田裕行らと意見交換を行った。 海外調査では2016年12月にハワイのカエナ岬(死者の魂が旅立つ場所と言われる岬)にて冬至の太陽の没入について観察した。 なお成果の社会還元として11月には南山大学にて「星空人類学2016」を挙行し、従来のアラスカ、ポリネシアおよびインカの星空に加えて、科研の成果である琉球列島および北海道アイヌ民族の星座についてコンテンツを加えることができた。
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Research Products
(3 results)