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2014 Fiscal Year Research-status Report

「伝統野菜」と地域振興に関する人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 26370971
Research InstitutionKwansei Gakuin University

Principal Investigator

鈴木 晋介  関西学院大学, 先端社会研究所, 専任研究員 (30573175)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords地域振興 / ローカリティ / 文化人類学 / 民族誌 / 伝統野菜
Outline of Annual Research Achievements

1990年代以降、日本各地で進行する「伝統野菜」復興の取り組みはマスメディアによる高頻度の取り上げと相俟ってますます拡大の方向にある。これまでこの社会現象の全体像の把握ならびに個々の実践事例と地域振興との関わりをめぐるエスノグラフィックなデータ蓄積は殆どなされておらず、この調査研究上の欠損を埋めるとともに、首都圏一極集中から地方の時代へという時局の潮流の中における新たなローカリティの創造の姿をマクロ、ミクロ両面から抉出することを試みるのが本研究である。
2014年度は計5回の現地調査(東京都、群馬県、新潟県)を実施、地方自治体による地域食文化復興イベントでの参与観察ならびにアンケート調査、また山古志地区における資料収集と旧村民に対する聞き取り調査等を通じて、本研究の最終目標である「伝統野菜のエスノグラフィー」作成のための貴重な一次資料を広範に収集することができた。また一連の過程で、農学研究者など人類学以外の研究者とのネットワーク構築が進展し、次年度以降の研究に学際的視点を反映させることが期待できるものとなっている。本年度の成果アウトプットに関しては、第一に当該社会現象の全体像を整理し広く公開していくための専用の研究ホームページを開設し(2015年1月)、ミクロの調査記録と平行して、本テーマをめぐる多角的な情報提供を行っていくためのプラットフォームの基盤整備が完了した。第二に口頭発表の形で本研究テーマをめぐる問題系の理論的整理を図った。要点は、伝統野菜をめぐる新たなローカリティの創造が、所謂「六次産業化法」や「地理的表示法」に象徴される農業分野のポスト生産主義時代における「生きられる経験」として主題化される必要性である。一連の考察を通じて、インゴルド的「生成の運動」(2014)のパースペクティブにおいて事例解析していく方向性が初年度において確固たるものとなっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題の二本柱は、「伝統野菜の復興ムーブメントに関する全体像の把捉とデータベース構築」、そして「伝統野菜のエスノグラフィー作成」である。このうち、後者については複数回の現地調査により着実に基礎データが収集されており計画通りと言える。しかし、前者については収集データの整理と公表に遅れがみられている。これは当該社会現象の広範な拡散状況(ムーブメントの主体や規模が相当多岐に渡っていること)に起因するものであるが、研究課題着手当初より織り込み済みの問題でもある。今年度はデータ収集を優先させたため、公表が遅れをとったものであるが、次年度以降はデータを漸次更新していく方向性で作業を進めていくことで収集段階と公表段階の時間差を埋めることに努めていく(とくにホームページ上にて調査による収集データと公表データを同期させリアルタイムで公表を図る方針に切り替えていく)。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進にあたっては、今年度の延長上にミクロのフィールドワークを継続し最終年度のエスノグラフィー作成に向けた厚みある一次資料の一層の充実を図っていく。データベース構築に関しては、データ整理の技術的側面の第三者への委託も選択肢として、即時性を高めていく方針である。また、2015年度からの研究代表者の所属先変更(茨城キリスト教大学)に伴い、茨城県内に新規フィールドを開拓することでより地域に密着した形で調査研究を進めていくことを計画している。既に、日立市里美地区の在来かぼちゃ品種をめぐる地元住民と県内大学の共同プロジェクトとの連携のためのコンタクトを始めており、研究成果公表のチャンネルの拡大に結び付けていく予定である。

Causes of Carryover

次年度使用額130円は、物品費等のすべての必要支出を済ませた年度末段階での端数として生じた金額であり、当該年度に使用する必要が認められなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度の研究遂行上必要な物品費の購入に充当する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 「伝統野菜」と地域振興に関する人類学的研究

    • URL

      dentouyasai.jp

URL: 

Published: 2016-05-27  

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