2016 Fiscal Year Research-status Report
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26380013
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 英実 青山学院大学, 法学部, 教授 (50303102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 朋代 広島国際大学, 心理科学部, 准教授 (70284148)
溜箭 将之 立教大学, 法学部, 教授 (70323623)
葛西 康徳 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80114437)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 信託 / 混合法 / ローマン・ダッチ・ロー / ローマ法 / 信託遺贈 / fideicommissum / trust / mixed legal system |
Outline of Annual Research Achievements |
ケンブリッジ大学セント・キャサリンズ・コレッジで行われたTokyo Cambridge Law Seminarにおいて“Surety and Security”をテーマとし、葛西、溜箭、松本が報告を行って、David Ibbetson教授(Clare Hall, Cambridge), Robin Osborn教授(古代史、King's College, Cambridge),David Waddilove博士(St. Catharine's College, Cambridge)とともに、担保と信託の交錯を検討した。また エディンバラ大学において葛西、松本が慣習法と信託に関する発表を行い、John Cairns教授(Edinburgh),Ernest Metzger教授(Glasgow)他との議論を行った。 その他の主な成果をまとめると以下のとおりである。第一に、西洋古代について相続に際して出来する信託とパラレルな問題状況について、法廷弁論を素材として明らかにすることができた。 第二に、ローマ法のfideicommissumと信託との関係を整理した。第三に、信託の世界的普及を分析する枠組みとして、イングランドに発して西回りに伝播した信託と、東回りに移転した信託と区別し、その邂逅・混合の過程を歴史的に跡付け、かつ信託の構成、内容を具体的に検討することを進めた。第四に、バルカン法に注目し、その固有の相続法との関係で、信託類似のしくみにつき日本法との比較を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果のとりまとめになお少々の時間を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、古代ギリシア法廷弁論を法的な補注を付して公刊する。 第二に、信託の世界的普及(diffusion)を分析する枠組みとして東回りの普及と西回りの普及とをとらえ、その邂逅としての日本法という視点から、複数国間の比較を歴史的観点から試みる(国際シンポジウムを行う)。 第三に、本成果をふまえ、信託と相続の関係を問ううえでより重要性が明確になった慣習法をテーマとした比較法制史的研究へと展開してゆきたい。この点についても、国際シンポジウムを行う予定である。
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Causes of Carryover |
最新の研究成果のジャーナルにおける発表が予定よりも遅くなり、これを踏まえ報告書のとりまとめを行う必要があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果をまとめた報告書を作成し、発表するために必要な経費を支出する。
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Research Products
(11 results)