2016 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative legal study of constitution-compatible interpretation
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26380033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土井 真一 京都大学, 法学研究科, 教授 (70243003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 哲治 同志社大学, 司法研究科, 教授 (40289129)
奥村 公輔 駒澤大学, 法学部, 准教授 (40551495)
山田 哲史 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (50634010)
白水 隆 帝京大学, 法学部, 講師 (70635036)
内野 広大 三重大学, 人文学部, 准教授 (90612292)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 憲法適合的解釈 / 合憲限定解釈 / 憲法判断の方法 / 憲法訴訟 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実績は、第1に、アメリカ合衆国、カナダ、フランス及びドイツにおける憲法適合的解釈又は合憲解釈並びにイギリスにおけるヨーロッパ人権条約適合的解釈に関する判例及び学説の状況について、調査研究を行い、法令解釈の手法として憲法適合的解釈が広く行われているという普遍性と各国の独自性について詳細に明らかにした。 各国とも、憲法適合的解釈を憲法の最高法規性を前提として、法律の基礎にある立法者意思と裁判所の法解釈権との調整という枠組みで把握していること、及び、我が国で多く問題にされてきたような合憲限定解釈のみならず、法律の文言を憲法に適合するように拡張解釈や類推解釈する場合が認められることなどが明らかになった。 第2に、こうした比較法的考察を踏まえた上で、我が国の最高裁判例や学説を精密に分析し、「憲法適合的解釈」概念の用法、憲法適合的解釈の意義、及び憲法適合的解釈が認められる要件と限界などを解明し、法令一部違憲、適用違憲その他の憲法判断との異同を明らかにした。その上で、従来の合憲解釈と近時提唱されている「憲法適合的解釈」の区別は相対的であり、合憲解釈とは異なる解釈方法論として「憲法適合的解釈」概念を定立するよりは、「合憲解釈」概念と「憲法適合解釈」概念が互換的に用いることを認めた上で、合憲解釈の構造をより精緻に分析し、整理することを、今後検討されるべき選択肢として提示する。 これらの研究の成果については、平成29年3月に開催したシンポジウムにおいて報告し、参加者との意見交換の結果を踏まえて、書籍として公表する予定である。
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Research Products
(11 results)