2016 Fiscal Year Annual Research Report
Intertemporal Law and Global Constitutionalism
Project/Area Number |
26380070
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
最上 敏樹 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70138155)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際公法 / 国際立憲主義 / 時際法 / マルティラテラリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は大学の特別研究期間に重なり、用意の整った平成28年12月からハイデルベルク(ドイツ)のマックス・プランク研究所に客員研究員として断続的に滞在し、そこで十分に研究に従事できた。とくに同研究所所長のアンネ・ペータース教授は国際立憲主義研究の国際的権威であり、同教授との共同研究・意見交換は大いに裨益するものがあった。また、バーゼル(スイス)のヨーロッパ研究所とも交流を開始し、国際機構史の共同研究開始の土台を構築できた。 自身の業績としては、6月にハノイ(ヴェトナム)におけるアジア国際法学会でセッションのモデレータを務め、また日本平和学会において特別講演を行った。その間、概説書である「国際機構論講義」を執筆し、12月に上梓した(岩波書店刊)。同書は概説書ではあるものの、国際立憲主義を土台に据えて議論の体系を再構築したものであり、これまでの研究の成果を反映したものと言える。とりわけ、国際立憲主義に照らした場合、現在の国連体制はどう評価できるか、国連中心的な研究態勢に問題はないかなど、根本的な洗い直しにつながった。 同時に28年より引き続き、ケンブリッジ大学出版会からの共著(分担執筆)およびオクスフォード大学からの共著(分担執筆)のための論文も執筆を続けている。いずれも29年度中に刊行予定だが、前者の論文はとくに時際法と国際立憲主義というテーマを正面から論ずるもので、科研費による研究支援の直截的な成果と言うべきものである。
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