2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380173
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
上神 貴佳 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (30376628)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 政治学 / 現代日本政治論 / 政治制度 / 政党研究 / 自民党 / 総裁選 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の当初計画は、「総裁選における国会議員の支持動向調査」と、「属性データの収集・補完」を行うことにあった。それぞれについて、研究経過を報告する。 1 総裁選における国会議員の支持動向の調査 本研究の申請以前にパイロット調査を実施した。2008年、2009年、2012年の各総裁選における衆議院議員の投票行動については、すでに最大8割強の議員の投票行動を推定している。本研究の初年度である平成26年度は、調査の対象を大幅に拡大し、自民党国会議員の投票行動を調査した。この調査に当たっては、新聞記事検索サービスを用いた。(1) 衆議院議員 1991年、1993年、1995年、1998年、1999年、2001年、2003年、2006年、2007年の各年の総裁選について、自民党衆議院議員の投票行動を調査した(ただし、データのクリーニング作業は終わっていない)。(2) 参議院議員 また、参議院議員については、2006年、2007年、2008年、2009年、2012年の各総裁選について、投票行動を調査した(こちらも、データのクリーニング作業は終わっていない)。さらに、記事検索サービスに収録されていない新聞については、国会図書館で資料の収集を行った。 2 自民党衆議院議員の属性データの収集と補完 『国会議員データベース―自由民主党・衆議院議員編』(品田他、丸善)とのデータの接続を念頭に置きつつ、本研究計画ではデータの出所を国会便覧に求めることとし、該当する役職の異動の記載箇所を特定する作業を続けている。しかし、時間の制約があり、データ自体の入力作業は未着手となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の当初計画では、「総裁選における国会議員の支持動向調査」と、「属性データの収集・補完」を行うことにあり、それぞれについて、達成度を評価する必要がある。 1 総裁選における国会議員の支持動向の調査 まず、当初の研究計画においては、平成26年度と平成27年度に投票行動の調査を行うことになっている。衆議院議員の調査については、1991年から2012年までのデータを揃えることができた。また、参議院議員については、2006年から2012年までのデータを収集した。平成26年度までに大幅な進展があったと評価することができる。ただし、前記のように、衆参両院議員のデータはクリーニングが終了していない。具体的には、作業者の間で当該記事から議員の投票先を判断する際の基準が必ずしも一致していない事例がいくつか見受けられた。また、記事検索サービスが所蔵していない新聞については、国会図書館で資料収集を行ったが、これらの資料の活用は今後の課題である。さらにいえば、1991年以前のデータについては、未着手である。 2 自民党衆議院議員の属性データの収集と補完 このデータ収集計画については、データの元となる資料を検討するにとどまっており、作業の基礎的な段階にとどまっている。 以上、本研究の実施に欠かせない、二つのデータの収集計画について達成度を報告した。分析の基礎となる主要なデータの内、もっとも手間のかかる投票行動調査については、十分な進展が見られたというべきであろう。研究計画全体の観点から述べると、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の計画の進捗状況をふまえて、平成27年度における研究の推進について、その方策を述べる。 1 データ・セットの作成 当初の研究計画によると、前年度からの課題として、「データ・セットの作成」を挙げている。したがって、「総裁選における国会議員の支持動向調査」と、「属性データの収集・補完」の作業を継続し、分析可能なデータ・セットを作成することが第一の課題となる。その際、前記の不十分な点をふまえて、データを完成させることが肝要である。支持動向調査については、とくに、新聞記事検索サービスでカバーされていない資料の収集(紙媒体、国会図書館などでの資料の収集が必要)、困難が予想される1991年以前の投票行動の探索について、さらなる検討が必要である。属性データについては、国会便覧と『国会議員データベース』との結合が可能となるよう、データの元となる資料について、こちらもさらなる検討が必要である。堅固なデータ・セットの完成が分析作業の前提であるから、これらの作業をすみやかに、かつ十全に行う予定である。 2 総裁選における投票行動の分析 支持動向調査を終了次第、派閥と国会議員、国会議員と党員の支持動向をそれぞれ比較し、分析する。 3 自民党衆議院議員の属性データの分析 属性データの収集作業を終了し、『国会議員データベース―自由民主党・衆議院議員編』(品田他、丸善)との結合次第、総裁選候補者の属性を時系列的に分析し、変化の有無を検証する。
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