2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380175
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
島袋 純 琉球大学, 教育学部, 教授 (40253934)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 補助要項 / PDCA / 特別調整費 / 沖縄振興一括交付金 / 沖縄振興計画 / 沖縄振興予算 / ソフト事業 / 自治体議会 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要 本研究の焦点は、沖縄振興一括交付金の沖縄の自治に与えた影響を解明することにある。2014年度においては、まず沖縄振興一括交付金の仕組みが導入された経緯を調査することと、実際にこの新たな仕組みによって実施された事業を調査することにあった。沖縄振興開発特別措置法(1972年~2002年)の元に、1996年沖縄振興特別調査費が設定されたが、それがこの交付金制度の母体となったことが判明した。事例調査は、中城村、南城市、南風原町等の事例調査を行った。補助要項による統制がきわめて緩やかになっているとはいえ、現場の自治体にとっては自由に事業組み立てができるものではないことが判明した。 2015年においては、沖縄県が当初要求していた交付税交付金に類する補助金適正化法の適用除外の一括交付金の仕組みを1999年に導入したスコットランドの現況調査を行った。それでも完全に中央政府の統制を逃れ、自由に予算編成できるものではなく、不満が高まりつつあることが分かった。同時に沖縄振興一括交付金の導入時から実際に事業編成予算申請をしてきた担当者複数名に面談を行った。以上進めてきた中で、2015年5月には日本行政学会において、11月には日本自治学会において研究成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国・県・市町村の一括交付金に関与者に対する聞き取り調査が順調に進んでおり、並行して進めている、制度創設の経緯に関する資料、文献調査も順調に進んでいる。政治的な介入、または県議会をはじめとする県内自治体議会・議員の関与について、今後聞き取り調査を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
沖縄振興一括交付金導入とその後の実施について行政関係者の聞き取り調査は順調に進んでいるが、自治体議会及び議員への聞き取り調査が必要であり、2016年度の主要調査となる。 那覇市、南風原町など、一括交付金事業について興味関心があり、事業の導入にあたって議論した経緯のある議員等に面談を申込み、夏までに聞き取り調査を行う。 沖縄振興一括交付金制度導入の経緯、交付金事業の実施状況調査を基に分析を進め夏までに論文執筆に着手し、年内に完成させる。
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Causes of Carryover |
聞き取り調査費用が予定者数よりも少なかったことで支出が少なくなったことと、研究支援者及び研究事務支援者等への雇上げが予定より少なかったことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
聞き取り調査をさらに予定しており、その謝金、テープお越し費用、そのための研究支援者の雇上げを行う。さらにスコットランド現地調査及び東京出張を予定しており、最終的には、報告書の発行を行う予定であり、十分に予算を用いることとなっている。
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Research Products
(3 results)