2016 Fiscal Year Research-status Report
公益法人制度改革による非営利団体の政治活動への影響と制度条件の国際比較研究
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26380199
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岡本 仁宏 関西学院大学, 法学部, 教授 (20169155)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 公益法人 / 非営利団体(NPO) / 政治活動 / アドボカシー / チャリティ法 / 公益認定 / アメリカ / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の具体的な研究成果としては、下記のようなものが挙げられる。 坂本治也編『市民社会論: 理論と実証の最前線』 法律文化社、2017年02月、での2本の法人制度論、特に、法制度と政治活動規制問題、公益法人で最も数が多い宗教法人制度問題についての成果発表を行った。また、そのほかに論文発表2本、書評1本、学会報告2本と積極的に成果発表を行うことができた。なお、日本NPO学会については、学会の実施時期が3月から5月に変更になり、発表機会が今年度はなかった。ほかに、内閣府公益認定等委員会や大阪府に対して関係問題に有識者としてのプレゼン等を行った。 これらの公表・発表と同時に、イングランド・ウェールズやアメリカ以外の英米法諸国の国々の非営利公益団体の政治活動規制制度比較に関する調査、さらに公益法人制度を中心とした都道府県別のデータの整理や、アメリカでのチャリティ制度の変容に関するトランプ政権下での動向に関する調査も行い、原稿執筆をし進めている。 全体として、一方で、現行の公益法人認定・監督制度の実態把握を進行させるとともに、他方で、国際制度比較を並行して進め学会報告を予定している。以上のように、それぞれについての成果を公表してきている。 ただし、予定していた公益法人認定等委員会・都道府県合議制機関への調査については、次年度に持ち越すことになり、この点での調査結果はまとめられていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
〇 進捗している点 イングランド・ウェールズ、アメリカのみならず、スコットランド、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ等、複数の英米法諸国での制度実態の把握が進んだ。 また、公益認定等委員会の認定・監督状況についての把握が格段に進歩した。この成果も出しつつある。 このように全体としての研究は着実に進展している。 〇 公益認定等委員会・都道府県合議制機関への郵送調査の実施が遅れている。これは、調査対象委員に就任し、実務的な知見が向上したことによって調査票をより精密にする点で時間がかかっていることが主たる理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度であり、遅れている調査を実施することが枢要である。この点について、実施を確実に行う。 他方、この実施に関係して海外調査に関する実施の予定の調整を今後行うことが必要になる。 なお、成果発表については、現時点で、5月の発表が複数予定されている。今後、出版等での成果発表につなげていく予定である。
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Causes of Carryover |
この理由は、一重に、全国都道府県の合議制機関、内閣府公益認定等委員会、及び委員に対する郵送調査、及び訪問調査が行えていないことによる。この原因は、第一に、昨年度から、調査対象となる委員会の委員に岡本自身が就任したことによって、より精密な調査に関する知見が向上したことと、委員としての役職上の業務への配慮から、慎重に調査を進めることの必要性が高まったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまで、実際の調査を行っていないはそのための調査準備を行ってきた。その点で、知見が向上しより丁寧な調査実施の条件ができてきたということができる。 上期において事務局調査の調査を実施し、後期には委員調査を行う計画を立てており、この実施に鋭意取り組んでいく予定である。
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Research Products
(5 results)