2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380286
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
原田 信行 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70375426)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 経済政策 / 中小企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き中小企業および日本経済に関するデータ、学術文献、資料等の入手、整理を幅広く進めた。学会、研究会を通じた学術情報の収集や意見交換等も継続して行い、実体経済の動向および学術研究の進展を踏まえつつ実証的に分析を進めた。とくに地域ごとの潜在的起業規模を詳細に検討しその成果を公表した。90年代末の中小企業基本法改正により創業の促進が中小企業政策の中核の一部として明確に位置づけられ、現在でも政府の成長戦略において政策が達成すべき成果目標のなかに開業の増加が含まれている。この間一貫して経済の低迷あるいは低成長の軌道が新たな企業の台頭により変化していくことが望まれてきた。その一方で現在にいたるまで実際の起業活動は政策側が期待するほど活性化しているとはいえない。この重要な問題に関して信頼性の高い大規模調査である就業構造基本調査に基づき都道府県および政令指定都市、東京特別区部別に潜在的起業者の分布等を明らかにした。結果として地域的な偏在もみられるがとくに人口比でみると各地域に潜在的な起業者は一定程度存在していることなどが示された。ただし時系列では多くの地域で減少しており、かつ実際に事業を起こしたことのある者が急速に減少している。世代を超えて起業が自然な選択肢のひとつとして受け継がれるには身近な経験者の存在は意味があると考えられ、起業にいたる社会的基盤は自覚的な維持が必要な局面に入っているといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
得られた成果の一部について引き続き適宜公表するとともに学会や研究会を通じた積極的な意見交換等を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
実体経済および政策動向、学術情報等の把握のためデータ群や文献、資料類の更新を続け、前年度までに行ってきた分析も踏まえながら中小企業および日本経済に関する分析を進める。得られた知見については学術だけでなく経済、社会への還元も目指す。
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Causes of Carryover |
一部のデータ、資料、ソフトウエアおよび機材について翌年度の最新版に繰り越すこととしたため未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ処理の効率化および分析の充実等のためこれらについては翌年度中に適宜実施する予定である。
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Research Products
(1 results)