2015 Fiscal Year Research-status Report
新たな集積効果関数を用いた都市一般均衡モデルの構築
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26380288
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
太田 充 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10176901)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 都市空間経済システムモデル / 都市圏の均衡土地利用パターン / 都市構造モデル / 立地パターン / ヘドニックモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、都市空間経済システムモデルで想定される、パラメータやモデルのフレームワーク検証のために、国内外(主に先進工業国)の主要都市における労働賃金、地代等の基本データの収集と、企業と家計の立地パターンの調査を行う。特に、企業の集積関数の検討のために、実際の都市圏における企業の他の企業とのコミュニケーションの実際のメリットや費用についての調査を行った。近年の各パラメータの変化によって、都市構造がどのように変化したかについても調査した。また、都市構造モデルの環境分野への応用のために、地価だけでなく大気汚染物質に関するデータおよび関連の道路整備のデータも集めた。また、ヘドニック分析を行うための手法の検討も行った。 また、小川・藤田モデルと太田・藤田モデルの集積関数の書き換え、改良をさらに進め、中間財生産部門を、太田・藤田モデルにおけるバックオフィスに類似したものとして想定した。この都市空間経済システムのモデル化にあたって、想定される経済主体や使用するパラメータの検討、ある技術条件下(交通技術、通信技術等)における都市圏の均衡土地利用パターン変化の理論的分析を行い、パラメータの変化による、企業の立地パターンの変化によって、成立する均衡都市の形状の可能性について検討を行った。これと、最適な都市形状との比較から、どういう政策が有効であるかについて考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた事項の8割程度達成し、一定の成果が出ている。特に、都市空間経済システムモデルの改良と、応用研究が予想よりも進展がみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在までに達成された事をもとに、どのように研究成果をまとめていくかが焦点となる。さらに、実用的な研究成果にするために、理論研究の枠組みのみならず、都市空間経済システムのモデル化の応用として都市環境に関する実証研究を行っていく必要があると考えている。具体的には、地価・地代に関する、都市構造モデルを公示地価等のパネルデータをもとにヘドニックモデルを用いて、様々な開発行為が、地価が上昇あるいは下落というデータへどのような影響を及ぼしているかを実証し、理論モデルとの比較を通じて、本研究の目的を達成することが必要と考えている。
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