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2017 Fiscal Year Research-status Report

金融リテラシーと家計の貯蓄・借入行動

Research Project

Project/Area Number 26380337
Research InstitutionKyoto Sangyo University

Principal Investigator

関田 静香  京都産業大学, 経済学部, 准教授 (30583067)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2019-03-31
Keywords金融リテラシー / 資産蓄積 / 行動経済学
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、共同研究者(大垣昌夫(慶應義塾大学)、Vikas Kakkar(City University of Hong Kong))と共に、金融リテラシーが資産蓄積に与える影響、及び、金融リテラシーの決定要因について分析を行った。
先行研究においては、金融に関するどの種のリテラシーが、資産蓄積にどのような影響を与えているのかを分析していないことが多く、また、資産蓄積の決定要因として、行動経済学的要因を考慮していないことが多い。その2点を考慮しつつ分析を行ったことが本研究の貢献である。
操作変数を用いた実証分析の結果、預金リテラシー・リスクリテラシー・借入リテラシーは、資産蓄積に有意に正の影響を与える一方、インフレリテラシー・保険リテラシーについては、有意な影響は観察されなかった。日本においては、長期にわたり物価の変動がそれほど大きくなかったため、インフレについて知っているか否かが、資産形成には影響を与えなかったと考えらえる。また、保険リテラシーが有意な影響を与えなかったのは、日本においては、個人が保険に関する知識を持っていなくても、保険会社の営業担当者からの説明により、保険に関する情報を収集・理解することができるため、個人のもつ保険リテラシー自体は、資産蓄積に影響を与えなかったのかもしれない。
さらに、行動経済学的要因が、資産蓄積に与える影響については、近視眼的な人やセルフ・コントロールのできる人、リスク回避的な人は、そうでない人に比べて、資産額が低く、自信過剰な人は、資産額が高いという結果を得た。セルフ・コントロールについては予想外の結果であったが、資産額の多いことが、セルフ・コントロールを失わせているという逆の因果関係をとらえているのかもしれず、解釈には注意が必要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

金融リテラシーが資産蓄積に与える影響について分析する際、金融リテラシーの内生性の問題を考慮して、操作変数をみつける必要があり、それにかなりの時間を要しているため。

Strategy for Future Research Activity

金融リテラシーの操作変数についてより吟味し、また、頑健性のチェックなど、補助的な分析を行い、論文を完成させる。

Causes of Carryover

産前産後の休暇により、研究に要する時間が取れなかったり、予定していた学会等への参加・発表ができなくなったりしたため、次年度使用額が生じた。
次年度は、論文の英文校正代として約8万円、国内外の学会発表にかかる旅費として約46万円を使用する予定である。

Remarks

Joint Usage Workshop on Household Ecnomicsにて、2018年3月28日に、"Wealth, Financial Literacy and Behavioral Biases: Evidence from Japan"を発表した。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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