2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380340
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大川 隆夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (10258494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林原 正之 追手門学院大学, 経済学部, 教授 (00104901)
岡村 誠 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (30177084)
野村 良一 立命館大学, 経済学部, 准教授 (60465599)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リヴァイアサン政府 / 省益最大化 / サイロ効果 / 縦割り / 補助金政策 / 関税政策 / 長期 / 短期 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は、14年度の到達点を踏まえ、岡村先生の体調も勘案し、メーリングリストでの研究情報&意見交換を主とした。ただし、目的2の内容を含んだ、編著書出版の方向性が浮上し、そちらに関する打ち合わせを、4月19日、7月19日、9月20日、11月1日、2月28日の5回執り行った。なお、目的1については3月13日に打ち合わせを持った。 目的1の縦割り行政については、国際貿易論にて、このような設定の下での分析がほとんど見かけられないことから、違和感を持たれないために、他分野での研究分野にて、類似の状況が指摘されていないかを調べた。tax competitionの分野にLivaiathan Governmentという、私的利益を追求する政府という概念が使用されていることが判明した。加えて、「縦割り」という概念に相当するものが、経営学の分野にて、silo effectと呼ばれていること。そして、その研究が進んでいることを突き止めた。以上のことから、目的1の論文の立ち位置を、政府内の各省にsilo effectが存在し、各省はLivaiathan Governmentとしてふるまうことを前提として、research questionを見直す。 目的2の長期、短期の政策効果については、まず短期と長期でどのような違いが発生するのかのメカニズムを端的にとらえることを主眼とする。昨年度のFTA形成でのモデルを全面改訂し、繰り返しゲームを用いたもので再度分析を行った。特に、目的1で用いたLivaiathan Governmentを援用する方向で、分析を進めることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的1について、昨年度、論文執筆に入ったものの、論文の設定が当該分野の研究者には不慣れであることから、他分野での研究成果を元に、論文のスタンスが決定したので、今年度、本格的な執筆をスタートできる。目的2に関しては、先述の編著書が来年度公刊に向けて準備を進めている。現時点の進捗状況は、掲載論文はすでに完成し、英文校閲中である。
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Strategy for Future Research Activity |
目的1については、論文を完成させ、英文雑誌への投稿を目指している。目的2については、先述したSpringer社より出版する論文集に収録済みである。
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Causes of Carryover |
岡村先生が一昨年度に罹患した病気の再発があり、一時療養を余儀なくされたこと、およびご母堂様の長期入院による看病が生じたことにより、打ち合わせなどに使用予定であった旅費の使用中断を余儀なくされたことから生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は体調も今のところ回復されており、打ち合わせや出張などに充てることとしている。
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Research Products
(4 results)