2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380399
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 孝司 芝浦工業大学, 工学マネジメント研究科, 教授 (80554980)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 金利リスク評価 / 現実確率測度 / リスクの市場価格 / 金利期間構造モデル / リアルワールドモデル / 長短金利差 / HJMモデル / Hull-Whiteモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 2016年度は、リスクの市場価格(リアルワールドモデル構築の鍵となるパラメータ)がマイナス値をとるという経験的則(Negative price tendency)をFlat yield model と Positive slope modelと名付けた簡易モデルで数理的に説明した。2016年度はPositive slope modelを発展させ、リスクの市場価格が長短金利差と負の相関関係にあることを数理的に導いた。 2) リスクの市場価格を一定と仮定して推定する方法は、リスク管理のための金利シナリオを生成するという目的に適っていることを定性的に説明した。 3) 米国国債市場の金利データを分析し、金利動向や長短金利差とリスクの市場価格との相関関係を分析し、これまで理論的に示していたことを実証した。 4) 3)の結果はT. Yasuoka; Correlations between the Market Price of Interest Rate Risk and Bond Yields, Int. J. Global Economics (2017) (オープンアクセスジャーナル)で公表した。 5) セミナー会社の企画で「図解で学ぶ リスク管理実務のための金利モデル入門」というセミナーを開催し、金融機関向けにリアルワールドモデルの説明を行った。今後も継続予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたことはほぼ解明し、3年間で論文2本と著書1冊で報告している。 また邦文の解説論文や、セミナーなどで金融機関向けの説明を実施した。
|
Strategy for Future Research Activity |
カウンターパーティ・クレジットリスク評価は金融機関において最重要課題のひとつである。これにはは価格調整(CVA)とリスク評価(クレジットエキスポージャ)の二つの課題がある。 このうちクレジットエキスポージャは現実測度下で計算しなければならないことから、リアルワールドモデルを応用する方向に研究を進めることが可能になった。 また金融機関向けのセミナーなどを通じて研究成果の解説を行い、実務の課題を研究に反映させる。
|
Causes of Carryover |
投稿論文の審査などの遅れにより、論文が最終年度の2月に受理された。これの最終原稿作成などの作業が次年後に残ったもの。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
関連資料の入手と論文校正・投稿料などに使用する予定。
|
Research Products
(1 results)