2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380425
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西牟田 祐二 京都大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (90183897)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 独米経済関係 / 対外直接投資 / 多国籍企業 / 対外証券投資 / 世界大恐慌 / 1920年代 / 1930年代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、20世紀のアメリカ合衆国とドイツとの間の相互関係が、第一次、第二次の両世界大戦を頂点とする外交的対立関係の時期と、第一次大戦後ワイマール期および第二次大戦後マーシャル・プラン期以降のような外交的親和関係の時期に大きく分かれていることに注目し、その中で一貫して進む両国の経済的相互関係の具体的分析を通じて、いかなるメカニズムによって相互の親和と対立が繰り返されるのかを解明するものである。平成26年度においては、両国の経済的相互関係のうち、1920年代におけるアメリカ諸企業の対ドイツ直接投資、すなわちアメリカ諸企業の在ドイツ子会社の設立やそれへの投資拡大についての動向の調査、および1929年世界大恐慌勃発後これらのアメリカ諸企業ドイツ子会社およびアメリカ本社がどのような対応をとったかの調査、また1930年代のドイツ経済成長期においてどのような対応をとったかの調査を行なった。その調査目的のために、アメリカ合衆国コネクティカット州ニュー・ヘイヴン市にあるイェール大学スターリング記念図書館付属文書館を訪れ、そこに所蔵されているアメリカ・ジェネラル・モーターズ社の第二次大戦期の諸文書を収集し、分析した。これによって、平成26年度における当初の計画であった1920年代におけるドイツ企業等のニューヨークにおけるドル建て証券発行に関する研究をするための前提調査作業を行なうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、平成26年度において、1920年代にニューヨークで発行されたドイツ企業等のドル建て証券の発行業務についてその法律事務を担当したサリヴァン&クロムウェル法律事務所のパートナーであったジョン・フォスター・ダレスの文書をアメリカ合衆国ニュージャージー州プリンストン市にあるプリンストン大学図書館付属文書館を訪れ、調査する予定であったが、アメリカからドイツへの対外直接投資の動向の調査・確定を先行させた。これによって次年度以降対外証券投資動向を調査するための基礎・準備作業はできたが、直接本来の証券投資動向調査は平成27年度以降の課題として持ち越された。従って当初計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
アメリカ合衆国からドイツへの対外直接投資と対外証券投資とは並行して行なわれ、その両者間の相互関係も深いものがある。したがって両者を関連付けながら研究することで、直接投資についても証券投資についても研究が推進されるものと考えている。
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Research Products
(1 results)