2016 Fiscal Year Research-status Report
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26380425
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西牟田 祐二 京都大学, 経済学研究科, 教授 (90183897)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 独米経済関係 / 対外直接投資 / 対外証券投資 / 多国籍企業 / 世界大恐慌 / 1920年代 / 1930年代 / 第二次世界大戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、20世紀のアメリカ合衆国とドイツ連邦共和国との間の相互関係が、第一次、第二次の両世界大戦を頂点とする外交的対立関係の時期と、第一次大戦後ワイマール期および第二次大戦後マーシャル・プラン期以降のような外交的親和関係の時期に大きく分かれていることに注目し、その中で一貫して進む両国の経済的相互関係の具体的分析を通じて、いかなるメカニズムによって相互の親和と対立が繰り返されるのかを解明するものである。平成28年度においては、当初アメリカからドイツへの証券投資(ニューヨークにおけるドル建てドイツ証券の発行に関してプリンストン大学(アメリカ・ニュージャージー州プリンストン市)図書館付属文書館に所蔵されているジョン・フォスター・ダレス文書を調査する予定であったが、アメリカからドイツへ証券投資ではなく直接投資の実態把握をより深めることを優先したためにイェール大学(アメリカ・コネティカット州ニューヘイヴン市)図書館付属文書館に所蔵するアメリカ・ジェネラルモーターズ社の第二次大戦期文書の継続収集とそれに基づく分析をおこなった。それにもとづき共著横井勝彦編著『航空機産業と航空戦力の世界的転回』(日本経済評論社、2016年12月発行)の第6章「ドイツ航空機産業におけるアメリカ資本の役割―ユンカース爆撃機Ju88主要サプライヤーとしてのアダム・オペル社―」(同書241頁~277頁)を執筆・発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画とは若干変更し、独米経済関係のうち対外証券投資よりも対外直接投資の研究に集中したが、対外直接投資の動向およびその戦時経済への影響については認識が大きく進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は独米の対外直接投資による国際経済関係の進展に関する研究を総括する研究書の執筆に取り掛かるとともに、独米の対外証券投資による国際経済関係の進展に関する研究に進む予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度に他資金による研究を優先したため当該科研費を使用せず、その分を平成28年度に使用した。従って平成28年度分を使用せず、その分を平成29年度に使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年9月にアメリカ合衆国ニュージャージー州プリンストン市にあるプリンストン大学図書館付属文書館を訪れ、同文書館所蔵の1920年代におけるニューヨークでのドイツ・ドル建て証券発行業務の法務担当者であった後のアメリカ国務長官ジョン・フォスター・ダレスの文書を調査する計画である。
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Research Products
(1 results)