2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Replacing Business Definition and its Process in Traditional Long-established Companies
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26380464
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥居 正樹 広島大学, 社会科学研究科, 准教授 (20363260)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 事業コンテクスト / 業態転換 / 老舗企業 / 技術の機能的価値 / 技術の使用的価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、市場構造の変化の対応に立ち後れた老舗企業が自社技術を従前とは異なる事業領域へ転換することによって再び成長を遂げるための要因とそれが機能するメカニズムについて、自社技術に対する解釈変化とそれに伴う事業コンテクストの置換という観点から解明することを目指している。最終年である平成29年度の研究課題は、事業コンテクストの置換に対する理論モデルを検討し、それを経営者の意見を基に修正を加えることで実践的なモデルへと補強することであった。 これまでの調査研究を取りまとめると、脱コンテクスト化/再コンテクスト化を図る対象と時間軸の範囲が事業コンテクストを置換する要点となる。その要点を具体的に明らかにするため、技術的価値に対する解釈の在り方について、日本とフィンランドとの比較調査を行った。具体的にはフィンランド人の意味解釈の捉え方が日本人とどのように違うのか、その相違点について両国文化に精通する人(フィンランドで勤務する日本人、日本に留学経験を持つフィンランド人経営者)にインタビュー調査を行った。その結果、フィンランド人はこれまでの経緯などの経時的な文脈よりも、目指すべき目標は何で、それに向かって今何をすべきか、という点を優先させることがあらためて確認された。しかし、日常的には必ずしも白紙の状態から考えることはせず、事業環境の悪化など外部からの圧力や危機感の高まりがその発端になることが明らかとなった。
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