2014 Fiscal Year Research-status Report
海外経済協力政策の実現に向けた、日本型CSV支援事業の構築と展開
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26380471
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
水尾 順一 駿河台大学, 経営経済学部, 教授 (30316773)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 三方よし / 日本型CSV / 社会的責任(CSR) / 社会課題解決 / マーケティング倫理 / サスティナビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度研究活動の概要は以下の通りである。 1.平成26年度当初は前期科研費研究活動を継続し、英国のCambridge学術出版社から発刊を予定している書籍の原稿を作成した。ニュージーランドMassey UniversityのGabriel Eweje准教授らと現在編集打ち合わせ中である。 2.病気治療のため、5月に2週間入院・手術を行い、その後の自宅療養も含めて3週間研究活動を中断した。当初予定した研究活動を変更し、大学における授業や学生指導など教育活動の傍ら、前3か年の科研費研究活動の結果を出版物(研究書籍)として発刊すべく取り組んだ。その成果として平成26年9月に『マーケティング倫理が企業を救う』(生産性出版:単著)、および平成25年から近江八幡の三方よし研究所を訪問し継続執筆をしている『三方よしに学ぶ 人に好かれる会社』サンライズ出版(共編著)を平成27年3月に研究書籍として上梓した。 3.秋以降は体調の回復もあり、11月には石垣島での日本情報経営学会全国大会、静岡での日本マネジメント学会全国大会に参加し研鑽を深めた。特に石垣島での学会参加はその後の調査研究活動の礎となっている。27年3月には、沖縄本島の恩納村で生活協同組合パルシステム東京が取り組む「恩納もずく」を通じた「日本型CSV支援事業」の調査研究を行った。あわせて、沖縄本島でドクターヘリの活動を支援するNPO法人MESHサポートも取材し、新たな視点から日本型CSVに関する研究活動に取り組んでいる。 4.平成24年12月13日に施行された「消費者教育推進法」の趣旨に賛同し、BERC(一般社団法人 経営倫理実践研究センター)と『消費者教育研究会』を設立した。平成25年度より試験的に2年間「消費者教育」「企業の社会的責任(CSR活動)」に関する寄付講座を駿河台大学で最初に実施し、その後複数の大学で実施してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り、平成26年度は病気療養のため当初予定していた海外の調査研究に取り組むことができなかった。 しかし、国内にて研究書籍の執筆などに専念することが可能となった。体調不十分な中ではあったが、後述する研究書籍3冊、経営倫理学論説1本を執筆・上梓することができ、調査研究活動はやや遅れたものの、研究業績としては十分であったと評価したい。 また、石垣島や沖縄本島など国内での研究活動も実施することができ、これらは次年度以降の研究業績に反映させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、前年に実施できなかった海外研究活動を中心に積極的に取り組み、その分野での遅れを取り戻したい。 第1は、4月29日~5月9日にかけて①タイ(バンコクにて日本とタイの経営倫理共同シンポジウムに参加)、②マレーシア(クアラルンプールにて環境と福祉の先進的な取り組みをリサーチ)、③シンガポールにてEC Responsible Business Summit Asia 2015に参加を行う予定である。 第2は9月上旬に開催される、18th Annual Irish Academy of Management Conference 2015に参加し、学会報告の予定である。この件についてはすでにエントリーのサマリーはアクセプトされており、現在論文を執筆中である。その後は引き続き、British Academy of Management2015 Conferenceに参加の予定である。 第3は国内での研究であるが、沖縄県の離島文化を支援する「三方よしの日本型CSV」の調査・研究活動であり、すでに前期は平成27年4月に与那国島における泡盛の「花酒文化」を取材済である。後期は波照間島における黒糖製造にかかわる「ユイマール共同体」の取材を予定している。
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Causes of Carryover |
前述の通り5月に病気治療及びその後の自宅療養も含め3週間の入院・治療を行った。その結果、当初の海外での研究・調査計画を国内研究に変更したため、海外出張の旅費・宿泊費などが減少したことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
体調回復もあり、海外での研究・調査計画を再開しその費用にあてたい。具体的には、27年度の計画にて記載の通り、第1は4月末~5月にかけてアジア各国への出張、第2は9月に予定している18th Annual Irish Academy of Management Conference 2015での参加・報告、及び引き続き開催される British Academy of Managemant 2015 Conference への参加を計画している。第3は、国内研究で沖縄県の離島文化を支援する「三方よしの日本型CSV」の調査・研究にて使用する計画である
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