2016 Fiscal Year Annual Research Report
An Analysis of Formation Processes for Frames by Institutional Entrepreneurs
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26380494
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
東郷 寛 近畿大学, 経営学部, 准教授 (10469249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金川 幸司 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (00341470)
深尾 昌峰 龍谷大学, 政策学部, 准教授 (00585804)
吉田 忠彦 近畿大学, 経営学部, 教授 (20210700)
井上 祐輔 函館大学, 商学部, 講師 (90737975)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 組織間関係論 / 公共政策 / 新制度派組織論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,NPO支援制度を事例として,公共政策過程における制度的企業家によるフレーミングをつうじた公設民営型市民活動支援施設の制度化過程を明らかにすることにある。具体的には,過去三年間の調査で得たインタビューデータと公式資料をもとにして,施設設置に向けた過程を分析した。 第一に,主要アクターである制度的企業家の実践を分析する「制度化モデル」を提示した。このモデルは,「観念」(意味)を運ぶ乗り物である制度の担体に着目し,アクターが実践において行う活動のなかで, その意味が同定され制度として作用する過程を説明する為のモデルである。本研究では,アクターの行為を組織化する意味が制度の担体に注入されて実践(制度化)が行われる点に焦点を合わせ,行政側とNPO側それぞれの制度化過程と両者の制度化の動きが重なる過程双方を明らかにすることを目的としている。 第二に,公設民営型市民活動支援施設などの「公民パートナーシップ」の形成過程を分析するモデルとして知られている「協働形成モデル」との比較検討を行ったうえで,制度化モデルを使用する根拠づけを行った。 第三に,制度化モデルを分析枠組として使用して,次の点を明らかにした。首長が提示したコンセプトである「市民参加」をもとに,公共政策の各段階において,異なる主要アクター(制度的企業家)が市民参加をそれぞれの文脈で意味付けて行為を組織化する,つまり,フレーミングと制度の担体への意味の注入を逐次的に行うことによって,最終的に支援施設の制度化につながった点を明らかにした。
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