2016 Fiscal Year Research-status Report
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26380502
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Research Institution | 国立研究開発法人科学技術振興機構 |
Principal Investigator |
後藤 吉正 国立研究開発法人科学技術振興機構, 役員, 理事 (80710392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄場 公規 法政大学, 大学院イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (80313039)
石田 修一 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (00326539)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 知的財産戦略 / イノベーション / イノベーションの専有可能性 / 企業アライアンス / 必須特許 / 標準化 / 標準必須特許 |
Outline of Annual Research Achievements |
インクジェットプリンタの事例に続き、DVDドライブにおける暗黙の知財同盟の事例研究を進めた。研究イノベーション学会に投稿した。査読で指摘を受けた次の事項の調査を行った。 ①DVDプレーヤの市場が大部分、一般消費者向け市場であることに対して、DVDドライブは、パソコンメーカなどの法人向け(BtoB)であることを市場データを調査して、検証した。 ②DVDドライブ市場に参入した海外企業は、台湾企業であるが、全てが短期間のうちに市場撤退した。その理由が、標準必須特許のロイヤリティー支払い負担が大きかったことをヒアリングで確認した。ヒアリングは、台湾の政府系シンクタンクの研究者である。 ③DVDプレイヤー市場には、中国企業が多数参入し、高い市場シェアを得た。②DVDドライブの場合とことなり、中国企業は、標準必須特許のロイヤリティー支払いを実質的に回避できたことを、標準必須特許のライセンスに関わった実務担当者からヒアリングした。 以上により、DVDドライブとDVDプレイヤーの比較事例研究が大きく前進した。 また、インクジェットプリンタ関する論文「知的財産戦略によるイノベーションの専有可能性:インクジェットプリンタの暗黙の知財同盟」を、日本知財学会に投稿し、昨年度、学会誌第12巻第1号に掲載された。この論文が、本年度の日本知財学会優秀論文賞を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
9.の①~③で記した調査、ヒアリングに想定以上の手間を要したので、全体の進捗に遅れが産まれた。
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Strategy for Future Research Activity |
・ DVDドライブとDVDプレーヤの比較事例研究は、新たに得た調査データやヒアリング結果を取り込んで、論文を仕上げる。 ・ DVDドライブの研究が長引いたため、企業境界と知財戦略に関する研究は、十分な研究期間がとれなくなったが、今後、研究を加速して理論構築を行う。
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Causes of Carryover |
DVDドライブとDVDプレーヤの比較事例研究が手間取ったため、本年度中に使用が未了の予算がうまれ、次年度使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在までの残高の549,722円を全て使用する。
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