2015 Fiscal Year Research-status Report
イノベーション確率最大化基準にもとづくイノベーション戦略・組織の抜本的再検討
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26380506
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原田 勉 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (20294192)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イノベーション確率最大化基準 / 多部門間マクロモデル / 産業構造 / 関係特殊的投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度である昨年度は、イノベーション確率最大化基準にもとづく事例収集、分析を中心として行ったのに対し、本年度は、主として多部門間マクロモデルを用いた理論モデルの構築に注力した研究を行った。 まず、イノベーション確率最大化基準の基本的な理論モデルを構築した論文を執筆し、Business and Management Studies に掲載された(Harada, 2015)。この論文では、イノベーションの類型として、core-driven、bottleneck-removing という2つのパターンを識別し、それらがどのような経済的メカニズムにおいて進展していくのかを分析した。 次に、この基本モデルを多部門間のマクロモデルへと応用し、産業構造の内生的変化とイノベーション確率との関係を分析した。そこではイノベーション確率の高い制度的背景のあるところでイノベーションが生じ、それが関連部門へと波及していき、その波及が産業構造を形成していくというモデルを構築し、分析を試みた。その成果は、Economic Systems Research に掲載された(Harada, 2015)。 さらに、このモデルをベースとして、産業間関係に関係特殊的投資が存在する場合、イノベーションのパターンや産業構造の内生的変化がどのように変化するのかを理論的に分析した。その成果は、Structural Change and Economic Dynamics に掲載された(Harada, 2015)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の課題は、多部門間マクロモデルの構築であり、そこでイノベーション確率最大化基準をベースとして制度分析を行うことであった。その成果として3本の論文を執筆し、すべて海外の学術誌に掲載された。すなわち、匿名レフェリーの審査を経て研究成果を海外に発信することができたので、計画以上に研究成果を出すことができていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度に構築した理論的マクロモデルにもとづいて、実証分析を試みることである。特に、多部門間でのイノベーション・メカニズムやその影響について実証的な分析を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ当初の計画通りに予算の執行はできた。残額116円は誤差範囲内であると思われる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算計画において、116円加算されてもそれで購入可能なものが増えるわけではなく、当初の計画通りに進める予定である。
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Research Products
(3 results)