2015 Fiscal Year Research-status Report
ママさん起業家をいかに創発すべきか - 女性起業を促進する環境と教育 -
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26380546
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
加藤 敦 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (00329963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 えり子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (20288608)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 女性起業 / 女子学生向け起業家教育 / 社会的起業 / リーダーシップ / 地域プラットフォーム / ハビトゥス / NPO |
Outline of Annual Research Achievements |
第1に先進事例に関する国内外の情報収集・研究者との情報共有化については、関連する国際学会の年次大会に参加し、口頭報告に加え、内外の研究者と積極的に交流しネットワークづくり、研究情報の共有化を進めた。すなわちInternational Council for Small Business(ICSB)並びにAsian Council for Small Business(ACSB) の年次大会に代表者と分担者が、International Association for Education and Vocational Guidance(IAEVG)の年次大会に分担者がそれぞれ参加した。 第2に実証研究については、これまでの理論的検討を踏まえ、「リーダーシップ」「ハビトゥス」にもとづくアプローチでは前年度の関西起業家調査(質的調査)のフォローアップを進める一方、「地域プラットフォーム」にもとづくアプローチとして、社会的起業・NPOについて、草の根情報化に寄与する女性起業家を主な対象として調査を行った。またNPOに関しては、事業計画書・会計報告にもとづく事例研究を並行して進めた。 第3に内外高等教育機関の女性向け起業プログラム調査については、前述の国際学会における情報共有を踏まえ、米国における女子大学の起業家教育に関する現地調査を実施した。具体的にはWellesley College, Smith Collegeなど東部地区の名門4女子大学と共学2大学の担当者とのインタビューを行った。 第4に研究成果の公表については、ICSB 並びにACSB の年次大会において、「リーダーシップ」「ハビトゥス」「地域プラットフォーム」という3つのアプローチにもとづく口頭報告を、それぞれ行ない、内外の研究者・実務家と情報交換を進めた。また内外高等教育機関の女性向け起業プログラム調査については、まず文献調査にもとづき論文を学内紀要に掲載した。なお、分担者(三宅)は、本研究と密接な連携の下、学内助成金にもとづく女性経営者のリーダーシップ・スタイルに関する実証研究論文を学内紀要に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1に先進事例に関する国内外の情報収集・研究者との情報共有化については、おおむね順調に進んでいる。 第2に女性起業家を対象とした実証的研究についてもおおむね順調に進展している。2014年度に実施した関西起業家を対象とした質的調査を踏まえ、2015年度は社会的起業・NPO(「草の根情報化」に携わる起業家)を対象とした質的調査を行った。またNPOに関しては、事業計画書・会計報告にもとづく分析を並行して進めた。なおNPOに関しては、女性起業家が取り組みやすい起業分野を重点的に取り上げた。 第3に内外高等教育機関の女性向け起業プログラム調査についても、国際学会における情報共有、米国における女子大学の現地調査などおおむね順調に進展している。 第4に研究成果の公表については、国際学会発表を積極的に進めたものの、学術雑誌への掲載は所属機関の紀要にとどまっており、やや遅れていると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に女性起業家の人的資本形成に関する研究については、これまでの学会発表等を踏まえ、理論的考察の深掘りと、量的調査のフォローを進め、論文掲載に向け努力する。 第2に社会的起業に関する研究にっついては、「草の根情報化の支援」、「子育て・福祉」の2分野に絞り、理論的考察を深める一方、インタビューと事業報告書・会計報告の分析を2つの柱で実証的考察を進め、国内外の学会における口頭発表を踏まえ論文として成果を公表するよう努める。 第3に女性向け起業家教育については、これまでの調査結果を踏まえ、女子教育、リベラルアーツ教育といった文脈の中で内外の先行事例をとりまとめ、並行してアジア地域についての調査を行う。 第4に研究成果の公表については、国際学会発表に継続的に取り組むだけでなく、国内外の学術雑誌への論文掲載に向け努力する。
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Causes of Carryover |
社会的起業・NPOに関するインタビューの一部が2015年度末となり、当助成を充当できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
社会的起業・NPOに関するインタビュー費用(旅費)に充てる。
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Research Products
(7 results)