2015 Fiscal Year Research-status Report
医療サービスの質的向上を意図した健康マーケティングシステムの構築
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26380561
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
保田 宗良 弘前大学, 人文学部, 教授 (20230229)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医薬分業 / 調剤薬局 / 地域医療 / 医療サービス / 健康マーケティング / 地域包括ケアシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
まず初めに健康サービスの質的向上と医薬品流通について多角的な考察を進めた。調剤薬局の薬剤師の健康指導は十分とは言えず改善の余地を多数残している。調剤薬局の医療サービスは地域の医療機関と連携したほうが効率的であるが、こうした連携は現実には進んでいない。地域医療の質的向上は、医療機関を中心に多くの組織が効率的に連携することが必要で。そのためには医薬品流通業者がどのような役割を果たせば良いのかを、聞き取り調査によって明確に示した。ドラッグストアの健康指導も更なる活用が求められており、先端企業のビジネスモデルの応用が研究の基盤となった。 次に医療マーケティングの先行研究を再検討し、医療モールの研究を進めていくうちに地域の中で医療をどのように考えれば良いのかという視点を有するようになり、福祉、介護と連携した地域作りの考察を進めた。 最後に、地域包括ケアシステムについて医療サービスの総合的な視点から考察した。医療、介護、福祉を融合した多職種連携を誰がどのように進めるかが問われるが、ドラッグストアが主体となるビジネスモデルが考えられ、聞き取り調査を進めた。在宅医療を進めるためには新たな医療マーケティングのあり方が求められるが、その基礎考察を展開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、医療サービスの質的向上を図るためには、医薬品流通業者がどのように連携してシステムを構築すれば良いのかということを、到達目標としている。本年度は、昨年度の文献研究、聞き取り調査を基盤に、健康マーケティング、地域包括ケアシステムの現状分析に力点を置いた。健康マーケティングという新たな概念を確立するために多くの聞き取り調査を進め、現場の実態を把握することに傾注し予定通り進展した。定性的研究が深められたのでおおむね順調と判断される。 仮説の構築は進んだが、研究を展開するために必要な定量的研究には踏み込めなかったので、おおむね順調に進展しているという区分が適切であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
28年は最終年度にあたるので、研究を完成するために不可欠な定量的研究を進める。仮説の最終検証を行うことに力点を置き「医療サービスの質的向上を意図した健康マーケティングシステムの構築」の像を示すことを最終目的とする。地域医療の質的向上を進展させるには医療機関と調剤薬局の薬剤師の連携、保健師の活用を意図した健康マーケティングシステムを設計しなければならないが、そのためには仲介者が必要であり、そうした組織作りの先行研究を検証し、それらの応用を模索する。 これからの医療は、在宅医療を基盤とした地域包括ケアシステムが求められるが、多職種連携は職種を超えた意思疎通が難しく、ドラッグストアのビジネスモデルからその方法論を模索する。消費者センターに医療サービスの苦情が寄せられているが、研究の成果はそうしたことを含めて学会報告、論文の公刊で発信する。
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Research Products
(7 results)