2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380593
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
高橋 久尚 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (50456266)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロスペクトル理論 / 消費者行動 / 時系列解析 / 価値判断基準 / 価格 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、データに潜む消費者の価値判断基準を明らかにする統計数理的な手法を確立することを目的としている。価値判断基準は、個人による違いがあることや時間的に変動をすることが予想される。このような現象を捉えるために、クラスター分析や多変量解析、そして時系列解析などの統計的分析手法を融合的に用いることを予定している。 上記のような研究を推進するために、初年度としては、データ分析環境の整備、データの初歩的な分析、時系列モデルによる個人の価格基準を分析する手法の考案を行うことができた。本年度に実施したデータ分析は、今後の研究のための予備な分析の側面もある。このデータ分析を通して、必要な環境と計算資源を見積もることができた。今後、さらに高度な分析を行うことを想定しているが、その際に実行可能な手法を見極めるために重要な情報を得ることができた。 また、実際のデータに基づいて、価格による人間の購買行動を分析するための時系列モデルの作成を行った。これにより、本件研究で今後さらなる分析を行うための基礎を築くとこができた。さらに、価格に対する反応は、当初想定したよりもかなり複雑なものであることが明らかとなった。 また、既存の時系列解析の手法を用いた分析を行うことで、既存の手法による限界や問題点も明らかにすることができた。また、既存の手法に関しても、多くの新しい発見をすることができた。これらの知見は、今後新たなモデルを作成するための、重要な情報であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した1年目の研究予定の多くを達成できたと思っている。また、多くの問題点も明らかとなったことから、今後の研究の発展を期待できる。一方で、論文等の研究成果の発表に関しては、想定よりもやや遅れている感がある。ただし、現在論文を執筆中であり、近く発表できると考えられる。このようなことを総合的に勘案すると、上記の通り、判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
計算時間が当初想定よりも掛かることが明らかとなったことから、今後、分析環境を見直す必要性があると思われる。具体的な対策としては、今後多面的な角度から検討をしていきたいと思っている。
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Causes of Carryover |
前年度後半に、比較的大きな予算が取得できたため、備品費を大幅に圧縮できたことと、雇用環境が変化したために、旅費の執行状況が変化したことによるものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後とも、研究計画に従って研究を推進し、研究費を計画的かつ効率的に使用していく予定である。
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