2016 Fiscal Year Research-status Report
コスト変動パターンの抽出及びそれに影響を与える諸要因の実証的解明
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26380637
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安酸 建二 近畿大学, 経営学部, 教授 (00309494)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コスト変動 / 決算短信 / 売上高予想 / 実証研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、日本企業の財務データを利用したコスト変動に関する実証研究を進めている。具体的には、日本企業が決算短信で発表する売上高予想とその修正値を用いて、それらが営業費用の変動を説明するかどうか、説明するとすればどの程度説明するのかを分析している。分析結果は、売上高予想が営業費用の変動を強く説明することを示しており、コスト変動に関して新しい知見を提供できる可能性が大きいと判断している。共同研究の形で論文作成を進めており、現在、ワーキングペーパーの作成段階にある。大規模データを分析しているため、多くの発見が期待される一方で、それを整理し論文を作成するためにかなりの時間を投入している。 また、これまでの研究成果として、「販売費及び一般管理費の理論と実証」というタイトルで、2017年6月に安酸他編著の研究書を中央経済社より出版予定である。本書では、日本の全上場企業、過去20年のデータを用いて、産業全般にみられる販管費の変動を分析している。本書の内容は、販売費及び一般管理費に対する統計的分析に基づく販売費及び一般管理費の動向の把握、その変動要因の分析、販売費及び一般管理費が将来利益に及ぼす影響の把握である。販売費及び一般管理費の限界収益率は年々上昇しており、また、総費用に占める比率も上昇傾向にある。こうした点で、販売費及び一般管理費に注目した本書の研究成果は、今日の企業経営の課題を的確に捉えていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の延長を申請しているが、これは研究の遅れではなく、米国の研究者と共同研究を進め、米国の会計研究専門誌へ論文を投稿するためである。論文作成から投稿までのプロセスが日本とは異なり、ドラフトの作成、数度のワークショップや学会報告、論文完成、投稿という手順を経ることから、当初の研究計画より、研究成果を公表するまでに多くの時間がかかると予想される。 また、販売費及び一般管理費に注目して、2017年6月に安酸他編著の研究書を出版予定であり、この点でも、研究は順調に進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、米国の研究者と共同で論文作成を進めている。当面の課題は、この共同論文を完成させ、米国の学会で報告し、米国の雑誌に論文投稿を行うことである。なお、学会報告として2018年1月の米国会計学会での報告を予定している。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画にはなかった米国の研究者と共同研究を進めている。この共同研究を通じて、研究成果を米国にて発表予定である。(【本研究に関連して実施した国際共同研究の実施状況】も参照されたい)。論文作成から投稿までのプロセスが日本とは異なり、ドラフトの作成、数度のワークショップや学会報告、論文完成、投稿という手順を経ることから当初の研究計画より多くの時間を要する。こうした理由から、研究期間の延長を申請すると同時に、研究費の使用を差し控えてきたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英文で論文を作成していることから英文校正が必要になる。また、米国の学会での報告を予定していることから渡航費等が必要になる。こうした目的に研究費を使用する。
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Research Products
(3 results)