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2016 Fiscal Year Research-status Report

世界不況下の地域産業・企業のイノベーション動向に関する社会学的研究

Research Project

Project/Area Number 26380676
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

藤井 史朗  静岡大学, 情報学部, 名誉教授 (00145971)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywordsマルクス労働論批判 / 生命発露・生活過程 / 良い資本志向 / 浜松技術者層 / リーマン・ショック
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度は、申請した研究実施計画のうち、(1)イノベーションに関わる社会学的基本視点の理論整理を行うこと、(2)地域社会でイノベーション生成を支える主体分析を、浜松の技術者層を対象として整理すること、の2点を実施した。
(1)に関わるものとしては、前年度に論文化した「マルクス理論の批判的再検討と勤労者把握視点」の観点を、日本労働社会学会の先行研究との関係で再度位置づけ、その意味を深化させた。その成果は、日本労働社会学会第28回大会(2016.10.29、於 法政大学)において報告したが、この骨子は、①1980年代の「ポスト・ブレイヴァマン論争」が開示した労働現場の労働と労働者のあり方は、マルクス→ブレイヴァマンにおける資本支配下の労働への規範的分析や、同じくマルクス理論の範囲下にあるグラムシ→レギュラシオン理論の分析視点の限界を示すものであり、現実の生命主体としての労働者に迫るより現実的な分析視点が求められていること、②そのためには、イ、勤労者個体の生命発露・生活過程(個体システム)への着眼と分析が求められていること、ロ、「資本」概念をマルクス理論的な位置づけではなく、人々にとっての「良い資本活用」か「悪い資本活用」かという価値視点から問題にしていくこと、ハ、「全体社会性」について、マルクス(グラムシ)理論的な位置づけではなく、個々の人々・企業に先行し継承・変更される「自然成長的分業」として捉えていくこと、が必要であると指摘した。
(2)については、すでに2009年、2010年に実施している静岡大学工学部卒業生への調査データを用いて、浜松地域での生育過程、大学での勉強の位置、所属企業でのプロジェクトへの参加や特に力を入れた仕事や不況への対応などについて分析し、職場の仲間との関係の中で、自らの力を社会的に具現していく姿を抽出した(5月に報告書発行予定)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は最終年度であったが、研究代表者が平成27年度末で本務校を退職し、研究機関と自宅との距離が離れるなど、研究推進・経費使用上の困難が増したこと、理論整理に多くの時間を取られ、これまで実施した調査データ全体の分析に着手しきれなかったことなどの理由により、科研費補助事業延長を依頼することとなった。

Strategy for Future Research Activity

浜松の技術者層の分析についての報告書はあと少しで印刷可能なところまで来ており、
浜松の製造業企業のイノベーション、海外進出に関わる2011年-2015年実施の調査データの分析執筆と報告書作成についても8月を目処に進めている。これらのデータ分析を踏まえ、イノベーション研究としての全体整理を平成29年度一杯で行うことで、遅れを取り戻する予定である。
しかし、これらの進行の中で、当初の浜松、豊橋、飯田の比較研究という視点は全体的には困難となり、豊橋を浜松と部分的に比較しつつ、本研究の主眼は、浜松の企業、従業員に対する多面的分析に置かれることとなった。この点を踏まえて、部分的に問題提起と結論の一部を修正する予定である。

Causes of Carryover

研究代表者が、平成27年度末で本務校を退職し、研究機関と自宅との距離が離れるなど、研究推進・経費使用上の困難が増したこと、また最終年にあたってこれまでの研究成果を報告書にまとめて印刷する予定であるが、複数冊の大部になるため、印刷業者への原稿入れ等の作業に思いのほか時間がかかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用は、ほぼすべて調査研究報告書の印刷費、および郵送費等となる。すでにその一部については、5月下旬までに印刷機関に入稿する予定であり、その次の部分は、9月までに入稿の予定である。

Research Products

(1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] マルクス理論の批判的再検討と労働者分析視点の模索―労働社会学領域における労働過程論争と関わらせて2016

    • Author(s)
      藤井史朗
    • Organizer
      日本労働社会学会
    • Place of Presentation
      法政大学(東京都町田市)
    • Year and Date
      2016-10-29

URL: 

Published: 2018-01-16  

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