2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380697
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 あおい 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50246005)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 世帯構造 / 宗門改帳 / 直系家族 / 家 / 歴史人口学 / 家族史 / ハメル・ラスレット分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、徳川後期農民世帯の家システムを明らかにすることが目的である。史料には、東北日本2地域(会津山間部4か村・二本松平野部3か村)と中央日本2地域(美濃平野部6か村・信州山間部2か村)の宗門改帳を用いる。具体的には、史料から作成された基礎シート(BDS)に基づきデータベースを構築し、分析単位を個人レベル、世帯レベル、村レベル、地域レベルの4段階に設定し、それぞれの分析単位ごとに人口指標と世帯構造の分析を試みる。この分析からそれぞれの地域の人口学的条件がどのように世帯形成に影響を及ぼしているのかを明らかにするとともに、世帯構造のメカニズムを解明する。また、村を単位とした分析は、ネットワーク分析の手法を参考に世帯間の人的移動について明らかにし、その村を構成する世帯間の関係を解明する。本研究においては、最もマクロなレベルとなる地域を単位とした分析では、東北日本と中央日本の世帯構造を比較する。両地域に共通する家システムが見いだせれば、徳川後期農民社会の家システムがある程度解明できるものと考え、これを仮説として提示したい。本研究は両地域の地域的特性よりもむしろ両地域に共通する基盤となるシステムの発見に力点を置いている。本研究の目的を達成するために、本研究期間(平成26-29年度)はデータベースの構築に重点を置く。 平成27年度は、平成26年度に引き続き、主に先行研究の整理、基礎シート(BDS)の確認、データのコンピュータ入力(美濃国多芸郡根古地新田村・信濃国諏訪郡横内村)をおこなった(データ入力は現在継続中)が、その一方で会津山間部のデータを用いて、村を単位とする分析方法の具体的検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
史料の確認、整理およびデータベースの構築作業に予定した以上の時間がかかっているためである。当初、即戦力となる研究補助要員を雇い、入力作業の協力を求める予定であったが、適任者がおらず、研究補助員の確保ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースの構築作業を最優先におこない、データベースの完成を目指したい。データベースの構築作業には膨大な時間がかかり、マンパワーを必要とする。しかし、入力作業には正確さが要求される。入力作業はかなり複雑であり、高度の専門知識が必要である。昨年に引き続き研究補助要員の確保に努め、データ入力作業に十分な時間をかけるとともに、データベース構築に費やす時間を圧縮し、遅れを取り戻し、当初予定した研究計画を遂行したい。
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Causes of Carryover |
人件費と旅費を次年度に繰り越した。人件費に関しては、研究補助要員が確保できなかったためであり、旅費に関しては個人的な事情により出張を見合わせたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度未使用分は、平成28年度の人件費に充てる予定であるが、一部を平成28年度に刊行予定の Cloke, Paul / Buller, H. / Little, J. (eds.), Rural Studies: Critical Concepts in Geography. 4 vols.の購入にあてることを検討している。
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Research Products
(1 results)